老健の入所条件と期間はどうなっているか|いつまでいられるか・退所後の行き先・順番

書類に記入する手元
  • 病院から「退院したら老健へ」と言われたが、親が入れる条件を満たしているのか分からない
  • 要支援の親でも、老健なら入れるのだろうか
  • 認知症や持病があると、老健に断られるのではないか
  • 老健は3か月で出されると聞いて、その先が心配
  • 特養の空きを待つ間、ずっと老健にいられるのか
  • 老健を出たあと、家に戻れないと言われたらどうするのか
  • 申し込みは病院がするのか、ケアマネジャーに頼むのか
  • 入所させずに、家で介護を続ける道はないのか

上記のような悩みに答えます。

老健(介護老人保健施設)は、入院からの帰り道で名前が出てくることの多い施設ですが、「入れる条件」と「いつまでいられるか」をめぐっては、「原則3か月」「実際はもっと長い」といった言葉が並ぶだけで、決まりの本文がどう書かれているかまでは、なかなか示されていません。出たあとの行き先を、入所中にどの順番で探すかも薄いところです。そこで、入所の対象・申し込みの流れ・特養との違いという基本を押さえたうえで、「3か月」の言葉の出どころと、家に戻れないと判断されたときの次の手まで、介護保険法と老健の運営基準(厚生労働省令)、厚生労働省の通知で確かめながら整理しました。

先に答え

老健(介護老人保健施設)に入れるのは要介護1以上の人で、看護や医学的管理の下での介護・リハビリが必要と施設が判断した人です。要支援の人は対象になりません。入所中は家で暮らせるかどうかを定期的に検討する決まりがあり、いつまでいられるかは本人の状態を見て施設が判断します。入った日から、家に戻る準備と戻れないときの行き先探しを並行して進めるのが順番です。

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目次

老健に入れる人と、いられる期間

老健に入れるのは、要介護認定で要介護1〜5のどれかに当たり、施設が「看護や医学的管理の下での介護、機能訓練が必要」と認めた人です。いられる期間は、家で暮らせるかどうかを施設が定期的に検討した結果で決まります。期間を数字で区切った文言は、編集部が確かめた省令と通知には見つかっていません。

入所を考える家族がまず知りたいのは「入れるか」「いつまでか」「出たらどこか」の3つですが、この3つは決まりの書かれ方がそれぞれ違います。入れる人は介護保険法の定義と老健の運営基準で、期間は運営基準の「定期的な検討」と厚生労働省の通知で、出たあとは「退所のときの指導と連携」の条文で書かれています。数字が出てくるのは通知にある検討の頻度(少なくとも三月ごと)で、ほかは施設が本人の状態を見て判断する書きぶりです。

知りたいこと 決まりの書かれ方 家族が確かめる相手
入れる人 要介護者で、看護・医学的管理の下の介護や機能訓練が必要と認められる人 入所を申し込む施設(面談・判定)
入れない人 要支援の人は対象外 市区町村の介護保険の窓口・ケアマネジャー
いられる期間 家で暮らせるかを定期的に検討する。通知では少なくとも3月ごと 施設の支援相談員
出たあと 本人・家族への指導と、ケアマネジャーや主治医への情報提供に努める 施設の支援相談員とケアマネジャー

たとえば、要介護2で骨折の手術を終えた親と、要介護4で寝たきりに近い親とでは、同じ老健に申し込んでも、施設が見るのは要介護度の数字よりも「どんな介護と訓練が要り、家に戻れる見込みがあるか」です。前者は機能訓練で家に戻る道筋が話の中心になり、後者は入所中から次の行き先を探す話が早く出てくることがあります。

迷ったときは、「入れるか」より先に「出たあとどこで暮らすか」の見通しを家族で一度言葉にしておくことです。入所の面談でも、施設は家に戻る見込みを聞いてきます。そこで答えを持っていれば、入所後の検討の場で家族が慌てずに済みます。

入所の対象は省令でどう書かれているか

老健の入所の対象は、介護保険法と運営基準の2か所で決まっています。要介護者であることは法律で、そのうえで「看護や医学的管理の下での介護と機能訓練が必要と認められる人」という中身は省令で書かれています。要介護度の数字で線を引く条文はありません。

介護保険法は老健を、要介護者のうち、心身の機能の維持回復を図り、家での生活を営めるようにする支援が必要な人のための施設と定めています(介護保険法8条28項)。ここで「要介護者」とされているので、要支援1・2の人は入所の対象になりません。そのうえで、介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成11年厚生省令第40号)8条1項は、心身の状況、病状、置かれている環境に照らして、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療等が必要であると認められる人を対象にサービスを提供する、と書いています。

出典:介護保険法8条(e-Gov法令API)/介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準8条(e-Gov法令API)

この書きぶりから読み取れるのは、入れるかどうかの判断を施設に委ねている、ということです。認知症があるから入れない、たんの吸引があるから入れない、という線は条文に書かれていません。逆に、要介護度が高ければ入れる、という線も書かれていません。施設が心身の状況・病状・環境を見て、看護や医学的管理の下での介護が必要か、受け入れられるかを判定します。

  • 要介護1〜5の認定を受けている(要支援は対象外)
  • 看護や医学的管理の下での介護・機能訓練が必要と施設が認める
  • 病状が施設の医療で対応できる範囲かを、施設が判断する
  • 認知症や持病の受け入れは、施設ごとの判定で決まる

たとえば、認知症で夜に歩き回ることがある親の場合、ある老健では受け入れ、別の老健では今の体制では難しい、と答えが分かれることがあります。要支援2の親が退院するときは、老健の対象ではないので、家で使う介護予防のサービスや、要介護認定の区分変更を申請するかどうかを、地域包括支援センターに相談する話になります。

申し込む前に、要介護認定の結果(介護保険被保険者証)を手元に置き、親の病状と認知症の様子を短くまとめておいてください。断られたときは、その施設の今の体制での答えとして受け止め、別の老健にも同じ情報で聞くのが次の一手です。

空きが少ないときに先に入る人

老健に空きが少なく申込者が多いときは、申込順ではなく、医学的管理の下での介護と機能訓練の必要性が高い人を優先するよう施設は努めることになっています。これは努力義務の書きぶりで、具体的な順位の付け方は施設ごとです。

運営基準8条2項は、入所申込者の数が空いている定員を超えているときは、医学的管理の下における介護及び機能訓練の必要性を勘案し、介護保健施設サービスを受ける必要性が高いと認められる申込者を優先的に入所させるよう努めなければならない、と書いています。特養の運営基準が「介護の必要の程度及び家族等の状況」を勘案事項にしているのと比べると、老健は「医学的管理の下での介護と機能訓練の必要性」に重心が置かれています。

出典:介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準8条(e-Gov法令API)/指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準7条(e-Gov法令API)

老健 特養
勘案すること 医学的管理の下における介護及び機能訓練の必要性 介護の必要の程度及び家族等の状況
条文の言い方 優先的に入所させるよう努めなければならない 優先的に入所させるよう努めなければならない
順位の決め方 施設ごと 入所に関する指針に沿って施設が判断

条文が言えるのは「申込順だけでは決まらない」ところまでです。何点なら先に入れる、待ち期間はどれくらい、といった目安は条文に書かれていないので、ここでは示しません。待ちが出ているかどうか、何を基準に順番を決めているかは、申し込む施設に直接聞いてください。

たとえば、同じ日に申し込んだ2人でも、退院してリハビリを続けたい人と、在宅で介護を受けながら様子を見られる人とでは、施設が見る「必要性」の重さが違うことがあります。家族が伝えるべきなのは、急いでいる事情そのものより、今どんな医療と訓練が要るかという中身です。

※入所の判定の仕方は施設や自治体によって違います。お住まいの市区町村で確認してください。

「3か月」の正体は定期的な検討

書類に記入する手元

「老健は3か月」という話の出どころは、退所の期限ではなく、家で暮らせるかどうかを検討する頻度です。省令は「定期的に」検討すると書き、「少なくとも3月ごと」という数字は厚生労働省の解釈通知の言葉です。3か月たったら退所しなければならない、という決まりではありません。

運営基準8条4項は、施設が入所者の心身の状況、病状、置かれている環境等に照らして、家で日常生活を営めるかどうかを定期的に検討し、その内容等を記録しなければならないと定めています。5項は、その検討に当たって、医師、薬剤師、看護・介護職員、支援相談員、介護支援専門員等の職員の間で協議しなければならないとしています。省令の本文にある言葉は「定期的に」で、月数は書かれていません。

出典:介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準8条(e-Gov法令API)

一方、厚生労働省の解釈通知(平成12年3月17日老企第44号)は、この検討について、病状及び身体の状態に応じて適宜実施すべきものだが、少なくとも三月ごとには行うこと、経過と結果は記録して2年間保存すること、と書いています。「3か月」はここから来ています。省令・通知とも、入所期間の上限を数字で定めた文言は本調査では見つけていません。いつまでいられるかは、この定期的な検討の結果で決まります。

出典:厚生労働省「介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準について」(老企第44号)

省令(8条4項・5項) 解釈通知(老企第44号)
何を 家で日常生活を営めるかどうかの検討 同じ検討の頻度
いつ 定期的に 状態に応じて適宜、少なくとも三月ごと
誰が 医師・看護・介護職員・支援相談員・介護支援専門員などで協議 経過と結果を記録し2年間保存
退所の期限か 期限ではない 期限ではない

検討の場で見られるのは、条文に書かれた「心身の状況」「病状」「置かれている環境」です。体の機能がどこまで戻ったか、病状が落ち着いているか、そして家の側に受け入れる環境があるか。最後の「環境」が具体的に何を指すかは条文に書かれていません。家族としては、同居の有無、日中に見る人がいるか、家の段差や寝る場所、使える在宅サービスがそろうかを整理しておくと、施設との話し合いで伝えやすくなります。

たとえば、歩く力が戻り、家に手すりを付ける段取りもついた親なら、検討の結果「家に戻れる」となり、退所の日程と在宅サービスの準備に話が進みます。体の機能は戻っても、家で日中に見る人がいない場合は、「環境」の面で家に戻るのが難しいという結果になることがあり、そのときは次の行き先の話が並行して始まります。どちらも、3か月という月数ではなく、検討の中身で動いています。

入所したら、最初の検討がいつごろか、家族は同席できるかを支援相談員に聞いておいてください。検討の場に家族の事情(誰が、いつ、どこまで見られるか)を持っていくと、「家に戻れるか」の答えに家族の側の現実が入ります。

申し込みは誰を通してするか

病院の廊下

老健への申し込みは、家族が施設に直接するか、入院中なら病院の相談員、在宅ならケアマネジャーを通して進めます。施設は申込書と医師の情報をもとに面談や判定をして、受け入れられるかを決めます。

老健の入所は施設との契約で、市区町村が入所先を割り振る仕組みではありません。そのため、どの書類が要るか、面談をどこでするか、判定にどれくらいかかるかは施設ごとに違います。共通しているのは、施設の医師や職員が本人の病状と必要な介護を知ったうえで受け入れを決める、という点です。運営基準8条1項の「心身の状況及び病状並びに置かれている環境に照らし」を、施設は書類と面談で確かめます。

老健に入るまでの順番
  1. 1相談する病院の相談員かケアマネジャー
  2. 2施設を選んで問い合わせる空きと受け入れの体制を聞く
  3. 3書類と面談病状と介護の中身を伝える
  4. 4施設の判定受け入れの可否が決まる
  5. 5契約して入所費用と退所の話も聞いておく
  • 入院中なら:病院の相談員(医療ソーシャルワーカーなど)に老健を考えていると伝える
  • 在宅なら:担当のケアマネジャーに相談し、候補の施設に問い合わせてもらう
  • ケアマネジャーがいないなら:地域包括支援センターか、施設に直接問い合わせる
  • 必要な書類と面談の場所は、申し込む施設に確かめる

住民票が親の暮らす市区町村と別のところにある場合や、子の家の近くの老健に入れたい場合に入所できるかは、施設と市区町村で扱いが違う可能性があるので、この記事では断定しません。申し込む施設に、住民票の場所で受け入れが変わるかを最初に聞いてください。

たとえば、入院中の親なら、病院の相談員が病状の情報を施設に送り、施設の職員が病院に面談に来る、という流れで進むことがあります。在宅で状態が落ちてきた親なら、ケアマネジャーが候補を出し、家族が見学と申し込みに行く流れになります。退院の日が決まっている場合は、相談員に「何日までに行き先が決まっていればよいか」を最初に確かめると、候補を何か所当たるかの見当がつきます。

申し込みの段階で、「入所後の最初の検討はいつごろか」「退所の話が出たとき、施設はどこまで手伝ってくれるか」も聞いておくと、入所後の段取りが見えます。

入所中の医療と費用の形

老健に入っている間の医療は、施設の医師が中心に担います。施設で対応できない医療が必要になったときは、施設の医師が入院の手配をしたり、ほかの医師の診察を求めたりします。費用は介護保険の自己負担に食費・居住費などが加わる形です。

運営基準16条1項・2項は、施設の医師が、入所者の病状から施設で必要な医療を提供するのが困難だと認めたときは、協力医療機関などへの入院の措置や、ほかの医師の対診を求めるなどの措置を取らなければならないと定め、あわせて、不必要に往診を求めたり通院させたりしてはならないとしています。医療保険の扱いについて厚生労働省の通知(老企第59号)は、施設で対応できる医療は施設の医師が対応するので保険請求は認められず、施設で通常行えない医療は保険請求が認められる、という考え方を示しています。歯科は別の扱いです。個別の処置がどちらに当たるかは、施設と受診先に確かめてください。

出典:介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準16条(e-Gov法令API)/厚生労働省「介護老人保健施設入所者に係る往診及び通院(対診)について」(老企第59号)

費用は、介護保険の1割〜3割の利用料に、食費・居住費、理美容代などの日常生活費が加わります。介護の基本の単位数は老健の区分と部屋の種類で違い、たとえば基本型の多床室なら要介護3で1日908単位、在宅強化型の多床室なら要介護3で1日1,014単位です(加算は別)。食費・居住費は施設との契約で決まり、所得と預貯金が一定以下の人は負担限度額認定の対象で、認定を受けた人の食費・居住費は段階ごとの負担限度額が上限になります。参考として、食費の基準費用額は1日1,545円です。どの区分の老健かと実際の額は、施設の重要事項説明書で確かめてください。月額の組み立ては、姉妹記事で詳しく見ています。

出典:厚生労働省「介護報酬の算定構造」/介護サービス情報公表システム「サービスにかかる利用料」(厚生労働省)/介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準11条(e-Gov法令API)

※1単位あたりの単価は自治体によって違います。お住まいの市区町村で確認してください。

老健の費用はいくらかかるか

持病の薬や定期の通院がある親なら、入所前に、今の薬と通院先の一覧を施設に渡し、入所後の受診をどうするかを聞いておいてください。

退所後の行き先を入所中に探す

老健を出たあとの行き先は、家に戻る、特養に申し込む、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅に移る、ほかの介護保険施設に移る、のどれかです。どれを選ぶかの答えは家ごとに違いますが、探し始めるのは入所した日からです。

運営基準8条6項は、退所に際して本人や家族に適切な指導を行い、ケアマネジャー(居宅介護支援事業者)への情報提供や、退所後の主治医への情報提供、ほかのサービス事業者との密接な連携に努めなければならない、と書いています。老健は退所後の暮らしを決める側ではなく、指導と情報提供と連携で支える側です。行き先を決めて動くのは家族とケアマネジャーで、検討の結果「家に戻るのは難しい」と言われてから探し始めると、間に合わない場面が出てきます。

出典:介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準8条(e-Gov法令API)

行き先 入れる人の決まり 入所中に動くこと
家に戻る ― ケアマネジャーと在宅サービス・住まいの手直しを準備
特養 原則要介護3以上(要介護1・2は特例入所) 入所に関する指針を確かめて申し込む
有料老人ホーム・サ高住 ホームごとの入居要件 介護付か住宅型かを決め、資料を取り寄せる
ほかの介護保険施設 介護医療院は長期療養が必要な要介護者 主治医・支援相談員と医療の見通しを話す

特養は原則要介護3以上で、要介護1・2の人は、家での生活が難しいことについてやむを得ない事由があると認められたときの特例入所になります。入所の順番は申込順ではなく、都道府県などの入所に関する指針に沿って施設が必要性を判断して決めます。厚生労働省の調査では、2025年4月1日時点の特養の入所申込者は要介護3以上で約20.6万人で、厚生労働省自身が、長く名簿に載っている人も含み、現に入所を必要としている人に限らないと注記しています。待ち期間の見込みは施設ごとに聞いてください。有料老人ホームのうち介護付は、特定施設入居者生活介護の指定を受けたホームで、ホームの職員が介護を担います。無料または低額な料金の軽費老人ホーム(ケアハウス)も候補で、こちらは60歳以上で自立した生活に不安があり家族の援助を受けにくい人が対象です。

出典:介護保険法施行規則17条の9(e-Gov法令API)/厚生労働省「特別養護老人ホームの入所申込者の状況(令和7年度)」/軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準13条(e-Gov法令API)

入所した日から並行して進めること
  1. 1家に戻る準備ケアマネジャーと在宅サービスを考える
  2. 2戻れないときの候補特養の申込・有料老人ホームの資料
  3. 3検討の場に同席家族の事情を伝える
  4. 4行き先を決める退所の日程と引き継ぎ

たとえば、要介護3の親が老健でリハビリを続けていて、家族は家に戻したいが日中は誰もいない、という場合は、在宅サービスの組み立てをケアマネジャーと考えながら、同時に特養に申し込んでおく、という並べ方ができます。家に戻る道が開ければ特養の申し込みは取り下げればよく、戻れないと判断されたときに一から探さずに済みます。要介護2の親なら特養は特例入所の扱いになるので、有料老人ホームやケアハウスの資料を早めに取り寄せておく比重が上がります。

各施設の違いは、次の記事で詳しく整理しています。

老人ホームの種類と違い、親の状態からの選び方

介護付き有料老人ホームとはどんな施設か

ケアハウス(軽費老人ホーム)とは

医療ケアが必要な親が入れる施設・介護医療院

有料老人ホームを候補に入れるなら、入所中に資料を取り寄せ、退所の検討が始まる前に見学の日を決めておくと、検討の場で具体的な候補を挙げられます。

※この枠にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。

退所後の行き先は、入所して間もないうちから候補を並べておくと、家に戻れるかの検討で結論が出たときに選べる幅が残ります。老人ホームの検索サイトでは、地域と予算で絞って有料老人ホームなどの資料をまとめて取り寄せられます。資料では、入居の条件と、介護が重くなったときや医療が必要になったときの扱いを先に確かめてください。

みんなの介護で老人ホームの資料を取り寄せる

特養との違いは目的と期間の考え方

老健と特養はどちらも介護保険施設ですが、老健は家に戻るための支援を目的にした施設で、入所中は家に戻れるかを定期的に検討します。特養は原則要介護3以上の人が暮らす施設で、入所の対象も、空きが少ないときに見る事情も、老健とは書き分けられています。

介護保険施設は特養・老健・介護医療院の3つです(介護保険法8条25項)。老健の定義には「居宅における生活を営むことができるようにするための支援」が書かれていて、運営基準でも、家で暮らせるかの検討と記録、多職種の協議が求められています。特養は、入所の対象が原則要介護3以上と省令で決まっていて、空きが少ないときは介護の必要の程度と家族等の状況を勘案して優先順位を決めます。

老健と特養は、入る目的が違う
老健

  • 要介護1以上
  • 家に戻るための支援
  • 家に戻れるかを定期的に検討
特養

  • 原則要介護3以上
  • 施設で暮らしながら介護を受ける
  • 入所に関する指針で順番を判断

出典:介護保険法8条(e-Gov法令API)/介護保険法施行規則17条の10(e-Gov法令API)

「特養の空きを待つ間、老健にいられるか」という問いへの答えは、老健での検討の結果しだいです。待っている間にいられるかどうかは、老健が見る本人の状態と、家に戻れるかどうかの判断を踏まえて決まります。特養を待っていることを理由に期間を定める文言は、編集部が確かめた省令と通知には見つかっていません。

たとえば、老健に入所したまま特養に申し込む人もいます。厚生労働省の特養の申込者の調査(2025年4月1日時点)は、申込者のうち自宅で待っている人を「うち在宅」として別に示しています。老健で待っていることが特養の順番の判断でどう扱われるかは、地域の入所に関する指針と施設の判断によるので、特養に申し込むときに「今は老健に入所中」と伝え、どう見られるかを聞いてください。

特養と有料老人ホームのどちらを選ぶかで迷っているなら、次の記事が判断の材料になります。

特養と有料老人ホームの違い|費用・入れる時期・待つか入るかの判断

入所せずに在宅で続ける条件

老健に入らずに家で介護を続ける道もあります。そのためには、在宅で受けられるサービスで介護と訓練の中身がまかなえ、家族の側にも続けられる見通しがあることが条件になります。

要介護者は、在宅のまま、区分支給限度基準額の範囲で訪問介護・通所リハビリ・訪問看護などの居宅サービスを組み合わせられます。1か月の限度額は要介護1で167,650円、要介護3で270,480円、要介護5で362,170円(1単位10円の地域の目安)です。お住まいの地域で単価が違うので、実際の枠はケアマネジャーに確かめてください。老健に入る理由が「リハビリを続けたい」なら、通いで受けるリハビリで足りるかどうかが分かれ目になります。

出典:介護サービス情報公表システム「サービスにかかる利用料」(厚生労働省)

木の手すりのある階段
  • 必要な訓練が通いや訪問のリハビリで受けられる
  • 医療の処置を主治医と訪問看護でまかなえる
  • 夜間や急な体調の変化に、誰がどう動くかが決まっている
  • 手すりや寝る場所など、家の中を整えられる
  • 家族の仕事と暮らしが、介護で崩れていない
  • 本人が家で暮らすことを望んでいる

たとえば、退院時に歩く力は落ちているが、週に何回か通いのリハビリに行け、家族が夕方以降は一緒にいられる親なら、老健を経ずに在宅で続ける組み立てができることがあります。反対に、日中に誰もおらず、転んだときに起き上がれない状態なら、まず老健で機能を戻し、そのあいだに家の準備をする方が順番として無理がありません。

親が施設に入ることを嫌がっている場合は、在宅で続ける条件から家族で話すと、入るか入らないかの言い合いにならずに済みます。

親が施設を拒むときは在宅で続ける条件から話す

入所したあとの実家

親が老健に入ったあとは、空いた実家をどうしておくかの話が始まります。老健は家に戻ることを前提にした施設なので、戻る可能性があるうちは、実家を戻れる状態に保っておくことが、在宅復帰の検討の材料にもなります。

家に戻る見込みがある間は、郵便物の受け取り、冷蔵庫や水回りの片づけ、手すりや段差の手直しの相談など、戻る日のための準備が実家の仕事になります。検討の結果、特養や有料老人ホームに移ることになれば、実家は誰も住まない家になり、固定資産税や家の傷み、売るか貸すか残すかといった次の段階の話に移ります。

たとえば、老健に入った時点では家に戻るつもりで実家をそのままにしていても、その後の検討で施設への移動が決まることがあります。そのときに慌てないよう、実家の鍵を誰が持ち、誰が月に一度見に行くかだけでも、入所の段階で決めておいてください。

親が入所したあとの実家をどうするか

在宅か施設か|在宅の限界が見え、施設を考え始めた人

よくある質問

老健に入所できない理由には何がありますか?

要支援の人は老健の対象になりません。要介護の人でも、施設が心身の状況・病状・置かれている環境を見て、看護や医学的管理の下での介護が必要か、今の体制で受け入れられるかを判断するので、施設ごとに答えが分かれることがあります。断られたら、理由を聞いたうえで、ほかの老健や別の種類の施設にも同じ情報で問い合わせてください。

要支援でも老健に入れますか?

入れません。介護保険法は老健を要介護者のための施設と定めています。要支援の人が退院後の暮らしに困っている場合は、地域包括支援センターに、介護予防のサービスや認定の区分変更の申請について相談してください。

認知症があっても老健に入れますか?

認知症があることを理由に入れないとする文言は、条文には書かれていません。受け入れられるかは、施設が本人の状態と今の体制を見て判断します。申し込むときに、認知症の様子(夜の過ごし方、歩き回るかどうかなど)を具体的に伝えると、答えが早く出ます。

老健には何か月いられますか?

月数で決まった上限は、この記事で確かめた省令・通知の範囲では見つかっていません。施設は家で暮らせるかを定期的に、通知では少なくとも3月ごとに検討し、その結果でいつまでいられるかが決まります。最初の検討の時期と、家族が同席できるかを施設に聞いてください。

老健を出たあと、別の老健に移ったり再入所したりできますか?

別の老健への入所や、一度退所したあとの再入所ができるかは、その時点の本人の状態をもとにした施設の判定によります。制度の上で一律にできる、できないと決まっているわけではないので、退所の話が出た段階で支援相談員とケアマネジャーに相談してください。

老健の申し込みはケアマネジャーに頼めますか?

在宅で担当のケアマネジャーがいるなら、相談して候補の施設に問い合わせてもらうことができます。入院中なら病院の相談員が窓口になります。どちらもいない場合は、地域包括支援センターか施設に直接問い合わせてください。

老健の1か月の費用はいくらですか?

介護保険の利用料(1割〜3割)に、食費・居住費、日常生活費が加わります。介護の単位数は老健の区分(基本型・在宅強化型など)と部屋の種類で違い、食費・居住費は施設との契約で決まるので、施設の重要事項説明書で確かめてください。所得と預貯金が一定以下なら、負担限度額認定で食費・居住費が軽くなります。

順番のおさらい

  1. 入れる人:要介護1以上で、看護・医学的管理の下の介護や機能訓練が必要と施設が認めた人。要支援は対象外
  2. 入所の対象:法律が「要介護者」と決め、中身は省令が書く。要介護度の数字の線は無い
  3. 空きが少ないとき:医学的管理の下での介護と機能訓練の必要性が高い人を優先するよう努める
  4. 「3か月」:省令は「定期的に」、通知は「少なくとも三月ごと」。退所の期限ではなく検討の頻度
  5. 申し込み:病院の相談員かケアマネジャーを通し、施設の面談と判定で決まる
  6. 入所中:医療は施設の医師が中心。費用は区分と部屋で違うので重要事項説明書で確かめる
  7. 退所後:家・特養・有料老人ホーム・ほかの施設の候補を入所した日から並べる
  8. 特養との違い:老健は家に戻るための施設、特養は原則要介護3以上の人が暮らす施設
  9. 在宅で続ける:通いのリハビリ・訪問看護・夜間の手当て・家族の見通しがそろうか
  10. 入所のあと:戻れる実家を保ちつつ、鍵と見回りの担当を決める

老健を「3か月の仮住まい」と構えると、入所した瞬間から退所の日を数えることになり、家族は落ち着いて次を選べません。決まりが求めているのは、家で暮らせるかを、本人の状態と家の事情を見ながら繰り返し確かめることです。家族の側がその検討に、自分たちの事情と次の候補を持って同席できれば、いつ退所の話が出ても、行き先を選ぶ時間は手元に残ります。

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この記事を書いた人

親の介護と相続の手引き編集部です。親の介護と相続の手続きについて、法令や省庁・自治体の公式資料を原文で確かめ、確認日を添えてまとめています。

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