- 親が要介護3になり、負担割合証に「2割」と書かれていた
- 月にいくら出ていくのかを、1つの数字で知りたい
- 2割になったら、1割のときの倍を払うことになるのか
- 限度額いっぱいまでサービスを使わないといけないのか
- 限度額を超えたらどうなるのか
- 高額介護サービス費というのは、自動で戻ってくるのか
- ケアマネジャーの提案をそのまま受けていいのか分からない
- 親の年金で払い続けられるのか、足りない分は子が出すのか
上記のような悩みに答えます。
要介護3・2割負担の月額は、限度額・負担割合・上限額の3つを順に当てはめると1つの数字になります。ところが多くの解説は、限度額に2割を掛けたところで止まっていて、「世帯の区分ごとの上限額で頭打ちになる」ところまでを1本の計算で示していません。上限を超えた分が申請しないと戻らないことや、時効があることも、制度の紹介として触れられるだけで、損につながる話としては書かれていません。そこで、限度額と負担割合の判定という基本を押さえたうえで、使った額ごとの早見、限度額を超えたときの扱い、申請と時効、月額に入らないお金まで、厚生労働省の資料と介護保険法の条文で確かめながら整理しました。
要介護3・2割負担の人が限度額いっぱいまで使っても、1か月に払う額は世帯の区分ごとの上限額で止まります。ただし、上限を超えた差額は、申請して初めて戻るお金です。
2026年9月時点の制度で確かめています
要介護3・2割負担の月額は上限額で止まる
要介護3・2割負担の月額は、親の世帯が課税世帯〜課税所得380万円未満の区分なら、44,400円が上限になります。「2割になったから倍払う」と身構える必要はありません。
要介護3の区分支給限度基準額は、1か月270,480円です(1単位10円の地域の目安)。2割負担の人が、この枠をぴったり使い切った場合の自己負担は次のようになります。
- 限度額いっぱいまで使ったとき:270,480円 × 2割 = 54,096円
- 高額介護サービス費の上限(課税世帯〜課税所得380万円未満):44,400円
- 実際に払う額:44,400円(差額の 9,696円 は申請すると戻る)
つまり、2割負担でも、1か月に出ていくお金は世帯の区分ごとの上限額で止まります。ただし、差額はいったん払ってから、申請して戻ってくるお金です(下の「上限を超えた差額は申請しないと戻らない」で書きます)。
上限額の仕組みがあるのは、介護が長く続く家庭ほど、割合だけで払い続けると負担が際限なく大きくなるからです。所得に応じて1か月に払う額に天井を設け、それを超えた分を介護保険から戻す。2割負担の人は所得が一定以上あるという理由で割合が上がっていますが、その人たちにも天井は同じようにかかっています。
たとえば、同じ要介護3・2割負担でも、世帯の区分が「課税世帯〜課税所得380万円未満」ではなく「課税所得380万円以上690万円未満」に当たる場合は、上限が93,000円になるため、限度額いっぱいの54,096円はその上限に届かず、そのまま54,096円を払うことになります。どの区分に当たるかで「止まる額」が変わるので、次の「決まる順番」で自分の親の区分を確かめてください。
出典:介護サービス情報公表システム「サービスにかかる利用料」(厚生労働省)
※1単位あたりの単価は地域区分によって違うため、上の金額は目安です。実際の額は自治体によって違います。お住まいの市区町村で確認してください。
要介護3の月額が決まる順番

月額は、限度額 → 負担割合 → 上限額の順に当てはめて決まります。この順番を入れ替えると、いくら計算しても合いません。
- 区分支給限度基準額:要介護度ごとに、1か月に介護保険を使える枠が決まっている。要介護3は270,480円
- 負担割合:その枠のうち、本人が払うのは原則1割。所得が一定以上なら2割または3割
- 高額介護サービス費:1か月の自己負担が上限を超えたら、超えた分が戻る
この順になっているのは、それぞれの仕組みが違う目的で作られているからです。限度額は「介護保険でどこまで面倒を見るか」の枠、負担割合は「所得に応じてどれだけ払ってもらうか」の率、上限額は「それでも払いすぎにならないための天井」です。枠の中で率を掛け、最後に天井で切る、と覚えておくと迷いません。
3の上限額は所得の区分で変わります。親の世帯がどこに当たるかで、「止まる額」が違います。
| 区分 | 1か月の上限額 |
|---|---|
| 課税所得690万円以上 | 140,100円(世帯) |
| 課税所得380万円以上690万円未満 | 93,000円(世帯) |
| 課税世帯〜課税所得380万円未満 | 44,400円(世帯) |
| 市町村民税世帯非課税 | 24,600円(世帯) |
| 年金等収入+合計所得82.65万円以下など | 15,000円(個人) |
出典:厚生労働省 介護保険最新情報Vol.997、厚生労働省 介護サービス情報公表システム「サービスにかかる利用料」(82.65万円は2026年8月1日からの基準)
表の「世帯」と「個人」の違いにも気をつけてください。世帯の上限は、同じ世帯で介護サービスを使っている人の自己負担を合わせて見ます。両親とも介護サービスを使っている家では、2人分を合わせたうえで上限がかかります。
たとえば、父が要介護3・2割負担、母も介護サービスを使っている同じ世帯なら、2人の自己負担の合計が上限額に届いた時点で、それ以上は増えない形になります。1人ずつ上限がかかるわけではない点が、1人で考えたときとの違いです。親の世帯がどの区分に当たるかは、負担割合証や市区町村からの通知で確かめるのが確実です。自分で所得を計算して区分を決めないでください。
2割負担の月額早見
限度額は「使ってよい上限」であって、「使う前提の額」ではありません。使った額が少ない月は、上限の制度とは関係なく、使った額の2割を払います。
使った介護サービスの額(10割の額)ごとに、2割負担の月額を並べると次のとおりです。上限額は「課税世帯〜課税所得380万円未満」の44,400円で計算しています。
| その月に使った額(10割) | 2割負担の額 | 実際に止まる額 |
|---|---|---|
| 100,000円 | 20,000円 | 20,000円 |
| 150,000円 | 30,000円 | 30,000円 |
| 222,000円 | 44,400円 | 44,400円(ここで上限に届く) |
| 270,480円(限度額いっぱい) | 54,096円 | 44,400円 |
44,400円の区分なら、表の3行目を超えたところから、それ以上は出ていくお金が増えません。逆に言えば、それより少なく使う月は、上限の制度とは関係なく「使った額の2割」を払います。
限度額いっぱい使う必要がないのは、限度額が要介護度ごとの「最大限の目安」として決められているからです。実際に使う量は、家族が介護できる時間、本人が人を家に入れたがるか、デイサービスに通うかどうかで大きく変わります。枠を使い切らないことは損ではなく、家の事情に合った量を選んでいるということです。
ケアマネジャーの提案をそのまま受けていいか迷うときは、次のことを聞けば、その計画の月額が分かります。
- この計画だと、月の合計はいくらで、2割でいくらか
- 限度額までどのくらい余裕があるか
- 上限額に届く月と届かない月があるか
- ショートステイなどで合計が増えそうな月はいつか
たとえば、デイサービス中心で月の合計が150,000円ほどの計画なら、2割の30,000円を毎月払う形になり、上限額には届きません。ショートステイを足して合計が222,000円を超える月だけ、上限の44,400円で止まります。月によって払う額が変わることを先に知っておくと、親の口座の残高を見ながら計画を相談できます。提案に納得できないところがあれば、変えたい理由を伝えて組み直してもらってかまいません。
親が本当に2割負担か確かめるには
親の負担割合は、負担割合証の記載を見るのがいちばん早く、確かです。所得の判定は世帯の状況で変わるため、境目にいるときに自分で計算して結論を出さないでください。
2割になるのは、合計所得金額160万円以上で、かつ年金収入とその他の合計所得金額の合計が単身で280万円以上(同じ世帯に介護保険の第1号被保険者がほかにもいるなら、その人と合わせた合計で346万円以上)の場合です。
3割になるのは、合計所得金額220万円以上で、かつ同じ合計が単身で340万円以上(同じ世帯に介護保険の第1号被保険者がほかにもいるなら、その人と合わせた合計で463万円以上)の場合です。
判定は、合計所得金額と、年金収入とその他の合計所得金額の合計の2段で見ます。どちらか一方だけで決まるわけではないので、片方の数字だけを見て判断しないでください。
たとえば、親が一人暮らしで、合計所得金額は160万円以上だが、年金収入とその他の合計所得金額の合計が280万円に届かない場合は、2割ではなく1割になります。同じ所得でも、同じ世帯にほかの第1号被保険者がいるかどうかで見る合計と基準の額が変わるので、「うちの親は所得がこのくらいだから2割のはず」と決めつけずに、負担割合証を見てください。
負担割合証は、介護保険の認定を受けた人に市区町村から届きます。親の郵便物に紛れて見つからないときは、市区町村の介護保険の窓口に問い合わせれば、再交付や記載の確認ができます。
※負担割合証の交付時期と様式は自治体によって違います。お住まいの市区町村で確認してください。
2割負担でも限度額を超えた分は全額自己負担

限度額を超えた分には保険が効かず、2割負担の人でも10割を払います。しかも、超えた分は高額介護サービス費の計算にも入らないため、上限額で止まりません。
ここがいちばん誤解されるところです。上限額の仕組みがあるので「いくら使っても上限で止まる」と思いがちですが、上限額がかかるのは、限度額の中で使った分の自己負担だけです。限度額の外に出た分は、介護保険のサービスとして扱われないので、天井の外側で丸ごと払うことになります。
限度額が枠として決まっているのは、介護保険が皆の保険料と税金で支えられている仕組みで、要介護度ごとに給付の範囲を決めておく必要があるからです。その枠を超えて使うこと自体は禁止されていませんが、超えた分は保険ではなく自費になります。
超えやすいのは、次のような月です。
- ショートステイを続けて使った月
- 福祉用具のレンタルを増やした月
- デイサービスの回数を増やした月
- 訪問介護の時間を急に延ばした月
たとえば、家族の都合でショートステイを続けて使った月に、合計が限度額の270,480円を超えたとします。その場合、270,480円までの分は2割負担で、上限額の44,400円で止まりますが、限度額を超えた分は10割でそのまま上乗せになります。上限額で安心していた家ほど、請求を見て驚くことになります。
防ぐ方法は、ケアプランを作るときに、その月の合計が枠に収まっているかをケアマネジャーに確認することです。どうしても枠を超える月があるなら、その月だけ超える分をいくら払うことになるかを、先に聞いておいてください。
上限を超えた差額は申請しないと戻らない
上限額を超えた差額は、自動では戻りません。申請して初めて戻るお金で、介護保険の給付を受ける権利は2年で時効になります。
対象になりそうな月があると、市区町村から案内が届くことが多いです。
※高額介護サービス費の案内の出し方と申請の手続きは自治体によって違います。お住まいの市区町村で確認してください。
気をつけたいのは時効です。介護保険の給付を受ける権利は、2年で時効になります(介護保険法200条1項)。いつから数えるかは市区町村に確認してください。
申請が要るのは、市区町村が世帯の区分や口座を把握したうえで払い戻す仕組みになっているからです。一度申請すると、その後の月は同じ口座に自動で振り込まれる扱いにしている自治体もありますが、それも自治体によって違います。最初の申請を出したかどうかで、その後の手間が大きく変わります。
「案内が来ていたのに、親の郵便物に紛れていた」は、遠方に住む子ほど起きやすい損です。親が案内の意味を分からずに捨ててしまうこともあります。
たとえば、上の早見で限度額いっぱい使う月が続いた場合、差額の9,696円が毎月申請待ちになっていきます。気づかないまま2年が過ぎると、古い月の分から戻らなくなります。帰省のときに、市区町村からの封筒をまとめて見る、親に「介護保険からの封筒は捨てずに取っておいて」と頼んでおく、それだけでこの損は防げます。
申請を忘れていた月があると分かったら、まず市区町村の介護保険の窓口に電話して、どの月の分が対象で、どの月まで間に合うかを聞いてください。持っていくものは、介護保険の被保険者証、振込先の口座が分かるもの、届いていた案内があればその案内です。
月額の計算に入らないお金
上の月額は、介護保険の枠の中で使うサービスの話です。住宅改修や福祉用具の購入、施設の食費・居住費のような枠の外のお金は、別に考えます。
- 住宅改修(生涯20万円)と特定福祉用具の販売(年間10万円)は、月の限度額の外。手すりを付けたから月の限度額が減る、ということはありません
- 施設に入った場合の食費・居住費、日用品やおむつ代などは、介護サービス費とは別にかかります
住宅改修と福祉用具の購入が月の枠と別になっているのは、どちらも「毎月使うサービス」ではなく、一度か、たまにしか発生しない出費だからです。住宅改修はひとり生涯の枠、福祉用具の購入は年度ごとの枠と、期間の単位も違います。月の限度額とは別の財布だと考えてください。
たとえば、要介護3の認定が出た月に、手すりの工事と入浴用の福祉用具の購入をまとめて行ったとしても、その月の訪問介護やデイサービスの枠は減りません。ただし、住宅改修と福祉用具の購入は、いったん全額を払い、あとで負担割合を除いた分が戻る償還払いが原則です(最初から自己負担分だけを払う受領委任払いを使える自治体もあります)。手元のお金が一時的に必要になることを見込んでおいてください。
施設に入った場合は、介護サービス費に加えて食費・居住費が毎月かかり、内訳の考え方がまったく違います。在宅の月額と施設の月額は、同じ物差しで比べられないと覚えておいてください。施設の月額は、下の「施設を考え始めたら次に来ること」から施設の記事へ進んでください。
認定がまだの人・区分が合わないと感じる人へ
認定の申請をする前に使ったサービスは、原則として全額が自己負担です。申請したあと結果が出る前に使った分は、認定が出れば申請日にさかのぼって介護保険の対象になります。区分が合わないと感じるときは、見直しを申請できます。
要介護認定の申請に対する処分は、申請日から30日以内に行われます(介護保険法27条11項)。
申請が分かれ目になるのは、認定の効力が申請した日にさかのぼって生じる仕組みだからです。申請さえしてあれば、結果を待つ間に使った分も、認定が出れば保険の対象に入ります。ただし、結果が非該当だった場合や、見込んでいたより軽い区分になり限度額からはみ出した場合は、その分が自己負担になります。申請そのものをしていなければ、さかのぼる起点がありません。「そのうち申請する」と後回しにすると、その間の費用がまるごと自己負担になります。
状態が変わって、いまの要介護度が合わないと感じるときは、区分の見直しを申請できます。見直しを考えるきっかけとしては、次のような変化があります。
- 以前はできていた着替えや移動に、手を貸す場面が増えた
- 夜間に起きて介助が要る日が続いている
- 入院をきっかけに、退院後の暮らし方が大きく変わった
たとえば、要介護2の認定を受けていた親が、入院をきっかけに一人で移動できなくなった場合は、限度額の枠がいまの暮らしに足りなくなることがあります。そのときは、区分の見直しを申請すると、新しい状態に合った枠で計画を組み直せます。どの区分になるかは認定で決まるもので、家族が選べるものではありません。
見直しの申請の前に、まずケアマネジャーに「いまの枠で足りているか」「見直しを申請したほうがいい状態か」を相談してください。
※区分の見直しの手続きと窓口の名前は自治体によって違います。お住まいの市区町村で確認してください。
まだ認定を受けていない親で、外出が減った・お風呂に入らなくなったといった変化から申請を考え始めた場合は、親が外出しなくなったとき・親がお風呂に入らないときで、受診と相談の順番を先に確かめてください。
親のお金で払い続けられるか
月額が分かったら、次は親の年金と預金で払い続けられるかを並べて見ます。足りない分を誰が出すかは家ごとに違い、決まった答えはありません。
毎月の介護の自己負担は、要介護度が変わらなければ、長く続く出費です。一度だけの額ではなく、「毎月この額が出ていく」と考えて、親の年金の入金額と比べておくことが大切です。親の年金額を聞きにくいときは、介護の費用をどう払うかの相談として切り出すと、話しやすくなります。
月額が分かっても、親の口座からお金を出せないと支払いが回りません。認知症が進んでから口座が凍結され、施設費用を子が立て替える例は珍しくありません。
確かめておくことは次のとおりです。
- 親の年金が毎月いくら、どの口座に入っているか
- 介護の自己負担がどの口座から引き落とされるか
- 預金の残りで、足りない月をどれくらい埋められるか
- 足りない分を子が出す場合、兄弟でどう分けるか
たとえば、親の年金で毎月の自己負担は払えるが、ショートステイを足した月や、住宅改修をした月だけ足りなくなる、という家は多いです。その場合は、足りない月の分を預金で埋めるのか、子が一時的に出すのかを、兄弟で先に決めておくと、請求が来たときに揉めずに済みます。分け方に正解はないので、まず親の収入と出ていくお金を紙に並べ、見える形にしてから話してください。
対策には家族信託や成年後見がありますが、どちらが向くかは家庭の事情で変わります。仕組みの説明はできても、家ごとの事情を知らないまま、どちらを選ぶかは決められません。ここからは司法書士・弁護士など士業への相談になります。家庭裁判所の窓口でも手続きの案内を受けられます。相談に行くときは、親の年金額と口座、いまの介護の月額、兄弟の意向を分かる範囲でまとめて持っていくと、話が具体的になります。
家族信託や任意後見のように、親の判断力があるうちにしか選べない手段があります。まだ元気なら、どんな選択肢があるかだけ先に聞いておくと、後で慌てません。
親の口座から払い続ける前提なら、判断力があるうちに管理の形を決めておく方法として家族信託とは、財産管理を家族に任せる仕組みがあります。
施設を考え始めたら次に来ること
在宅で続けるか、施設を考えるかで、この先の費用はまったく別の話になります。
- 親の年金だけで入れる施設はあるのか
- 特養と有料老人ホームで月額はどう違うのか
在宅の月額は「限度額・割合・上限額」で決まりますが、施設の月額は食費・居住費が加わり、内訳の考え方が変わります。在宅がいつまで続けられるか迷い始めたら、施設の費用の仕組みを先に知っておくと、急に空きの連絡が来ても慌てずに比べられます。
在宅か施設か|在宅の限界が見え、施設を考え始めた人へ/親が施設を拒むときは在宅で続ける条件から話す
要介護度や負担割合が違う場合は、介護費の自己負担シミュレーターで月額を出せます。平均や内訳から全体を見たいときは親の介護費用が毎月いくらか分からない人へ、在宅で使う福祉用具は介護ベッドをレンタルする条件を読んでください。
よくある質問
要介護3の3割負担なら、月額はいくら?
限度額いっぱい使った場合の3割は次のとおりです。実際に払う額は、世帯の区分ごとの上限額(上の表)で止まります。上限を超えた分は、2割のときと同じく申請すると戻ります。
- 270,480円 × 3割 = 81,144円
3割負担になる年収はいくら?
合計所得金額220万円以上で、かつ年金収入とその他の合計所得金額の合計が単身340万円以上(同じ世帯に介護保険の第1号被保険者がほかにもいるなら、その人と合わせた合計で463万円以上)の場合です。判定は世帯の状況で変わるので、負担割合証の記載で確かめてください。詳しくは上の「親が本当に2割負担か確かめるには」にあります。
要介護2と要介護3では、どちらが得?
在宅のサービスでは、自己負担は「使った額の割合」で決まるので、要介護度が上がっただけで払う額が増えるわけではありません。変わるのは使える枠の大きさです。認定は状態で決まるもので、損得で選べるものではありません。
要介護3で特養に入ったら、自己負担はいくら?
介護サービス費は上限額の対象ですが、食費・居住費は別にかかります。内訳の考え方は在宅とまったく違うので、下の施設の記事で確かめてください。
高額介護サービス費の申請を忘れていた月は、もう戻りませんか?
介護保険の給付を受ける権利は2年で時効になるので、間に合う月は申請できます。いつから数えるかは市区町村によって扱いを確かめる必要があるので、介護保険の窓口に電話して、どの月まで対象かを聞いてください。
住んでいる地域で金額が変わるのは本当ですか?
本当です。1単位あたりの単価が地域区分によって違うため、この記事の金額は1単位10円の地域の目安です。実際の額は、お住まいの市区町村かケアマネジャーに確かめてください。
順番のおさらい
- 月額:要介護3・2割負担なら、限度額いっぱい使っても世帯の区分ごとの上限額で頭打ちになる
- 決まる順番:限度額 → 負担割合 → 上限額。世帯の上限は同じ世帯の人の分を合わせて見る
- 早見:限度額いっぱい使う必要はない。ケアマネジャーには月の合計と2割の額を聞く
- 2割の確かめ方:自分で計算せず、負担割合証の記載を見る
- 限度額超過:超えた分は全額自己負担で、上限の計算にも入らない
- 差額の申請:上限を超えた分は申請しないと戻らず、2年で時効
- 枠の外のお金:住宅改修と福祉用具の販売は月の限度額の外。施設の食費・居住費も別
- 認定前・区分:申請前の利用は原則全額自己負担。申請後・結果前の分は、認定が出れば申請日にさかのぼって保険の対象。状態が変わったら見直しを申請できる
- 親のお金:年金と口座を並べて見る。家族信託・任意後見は親の判断力があるうちにしか選べないので、元気なうちに士業へ相談する
要介護3・2割負担の月額で慌てる家の多くは、「2割」という数字だけを見ています。実際に払う額は上限額で止まり、損が出るのは、限度額を超えた月と、申請を忘れた月です。この2つだけ押さえておけば、ケアマネジャーの提案を受けるときも、親の口座を見るときも、何を確かめればいいかがはっきりします。
単価・負担割合証の交付時期・窓口の名称は自治体によって違います。お住まいの市区町村で確認してください。

