- 親をショートステイに預けたいが、1泊でいくらかかるのか見当がつかない
- 介護保険が使えるなら安いと思っていたが、食費と部屋代は別なのか
- 個室と多床室で、1泊の額はどれくらい違うのか
- 2泊や7泊ほど続けて預けたら、全部でいくらになるのか
- 親は2割負担だと言われた。1割の人とどれくらい差が出るのか
- 負担限度額認定を受けると、どこがどれだけ安くなるのか
- デイサービスも使っている月に、ショートを何日まで入れられるのか
- 30日を超えて泊まると何が変わるのか
上記のような悩みに答えます。
ショートステイの費用は、介護保険が効く部分と効かない部分が1枚の請求書にまとまって届くので、どこが何の値段なのかが見えにくいお金です。施設の料金表や介護メディアの解説で内訳や料金の例は見つかりますが、負担限度額認定の段階ごとに食費と滞在費まで足した1泊の額や、月の区分支給限度額の中で何日分を保険でまかなえるかを1本の計算で示した説明は、見た範囲では見つけにくいところです。そこで、費用の内訳・要介護度と部屋による違い・食費と滞在費の決まり方という基本を押さえたうえで、認定の段階別の1泊の額、連泊したときの総額の出し方、限度額の中で使える日数の計算まで、介護保険法の条文と厚生労働省の告示で確かめながら整理しました。
ショートステイの1泊の費用は、介護サービス費の自己負担(1〜3割)に、食費と滞在費(部屋代)を足した額です。介護サービス費は要介護度と部屋の種類で決まり、食費と滞在費は施設との契約で決まります。住民税非課税などで負担限度額認定を受けると、食費と滞在費に上限がかかります。
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1泊の費用は3つのお金の合計
1泊の費用は「介護サービス費の自己負担」「食費」「滞在費」の3つに、送迎などの加算と日用品の実費を足した額です。このうち介護保険が効くのは介護サービス費だけで、食費と滞在費は保険の外にあります。
食費と滞在費が別になるのは、介護保険法41条1項が、短期入所生活介護と短期入所療養介護について、食事の提供にかかる費用と滞在にかかる費用、日常生活にかかる費用を保険給付の対象から外しているからです。つまり「介護保険のショートステイ」と言っても、保険で1〜3割になるのは介護の部分だけで、食事と部屋の代金は別の物差しで決まります。ここを知らずに介護サービス費の額だけを見ていると、請求書を見て驚くことになります。
図の計算例は、要介護3・1割負担の親が、特養に併設されたショートステイの多床室に泊まり、食費と滞在費が国の基準費用額(負担限度額認定の計算の基準で、施設の値段そのものではありません)と同じ額の施設だった場合の仮の計算です。実際の食費と滞在費は施設との契約で決まります。介護サービス費は745単位(1単位10円の地域で745円)、食費1,545円、滞在費915円を足して3,205円になります。ここに送迎などの加算と、日用品の実費が乗ります。
介護サービス費は「単位」で決まっていて、円に直すには1単位の単価を掛けます。ショートステイ(短期入所生活介護)の単価は、地域区分によって10.00円から11.10円までの幅があり、「その他」の地域は10.00円、東京都特別区のような1級地は11.10円です。このため、同じ要介護度・同じ部屋でも、住んでいる地域で1泊の額が少し変わります。
たとえば要介護3で併設型の多床室なら、1単位10.00円の地域では745単位×10.00円=7,450円で、1割負担なら745円です。1級地の11.10円なら745単位×11.10円=8,269.5円で、1割負担なら約827円になります。差は1泊で約80円ですが、1週間・1か月と重ねると無視できない差になるので、早見表の円は「1単位10円の地域の目安」として読んでください。
ショートステイの費用を考えるときは、最初に3つのお金を分けて書き出すと、どこを下げられるかが見えてきます。介護サービス費は要介護度と部屋で決まるので動かしにくく、食費と滞在費は負担限度額認定で下がる余地があります。この順で確かめていきます。※1単位の単価は事業所の所在地の地域区分で決まります。お住まいの市区町村で確認してください。
出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム」サービスにかかる利用料/厚生労働大臣が定める一単位の単価(告示)/介護保険法41条
介護サービス費の早見表

介護サービス費の自己負担は、1単位10円の地域・1割負担で、併設型の多床室なら要介護1の603円から要介護5の884円までです(加算を含まない基本部分)。ユニット型個室は、同じ要介護度で1泊あたり約100単位高くなります。
単位数は、厚生労働省の告示(介護給付費単位数表)で1日あたりの数が決まっています。特養などに併設された「併設型」と、ショートステイだけを行う「単独型」で単位数が違い、部屋は「従来型個室・多床室」と「ユニット型個室」で分かれます。令和6年4月からの単位数表では、従来型個室と多床室は同じ単位数です。2026年6月の臨時改定でも、基本の単位数は変わっていません。
次の表は、特養のショートに多い併設型の単位数を、1割・2割・3割の自己負担に直したものです。
1単位10円の地域で計算した目安です。加算(送迎・処遇改善加算など)を含みません。食費と滞在費は別にかかります。
| 要介護度・部屋(併設型) | 1日の単位数 | 1割 | 2割 | 3割 |
|---|---|---|---|---|
| 要介護1・従来型個室/多床室 | 603単位 | 603円 | 1,206円 | 1,809円 |
| 要介護2・従来型個室/多床室 | 672単位 | 672円 | 1,344円 | 2,016円 |
| 要介護3・従来型個室/多床室 | 745単位 | 745円 | 1,490円 | 2,235円 |
| 要介護4・従来型個室/多床室 | 815単位 | 815円 | 1,630円 | 2,445円 |
| 要介護5・従来型個室/多床室 | 884単位 | 884円 | 1,768円 | 2,652円 |
| 要介護1・ユニット型個室 | 704単位 | 704円 | 1,408円 | 2,112円 |
| 要介護2・ユニット型個室 | 772単位 | 772円 | 1,544円 | 2,316円 |
| 要介護3・ユニット型個室 | 847単位 | 847円 | 1,694円 | 2,541円 |
| 要介護4・ユニット型個室 | 918単位 | 918円 | 1,836円 | 2,754円 |
| 要介護5・ユニット型個室 | 987単位 | 987円 | 1,974円 | 2,961円 |
表にない種類は、次のとおりです。単独型の従来型個室・多床室は要介護1〜5で645〜926単位(1割で645〜926円)、単独型のユニット型個室は746〜1,028単位です。老健で受ける短期入所療養介護(基本型)は、多床室が830〜1,052単位、従来型個室が753〜971単位で、特養のショートと違って多床室のほうが高い並びです。要支援1・2の人の介護予防短期入所生活介護は、併設型の従来型個室・多床室で451単位・561単位(1割で451円・561円)です。
負担割合が1割・2割・3割のどれになるかは、本人の所得で決まります。2割になるのは合計所得金額160万円以上で、年金収入とその他の合計所得金額が単身で280万円以上(2人以上の世帯で346万円以上)の場合、3割になるのは合計所得金額220万円以上で、同じ合計が単身で340万円以上(2人以上の世帯で463万円以上)の場合です。境目にいるときは自分で計算せず、親の介護保険負担割合証の記載を見てください。
たとえば、要介護3で同じ併設型の多床室に泊まる場合でも、1割負担なら1泊745円、2割負担なら1,490円、3割負担なら2,235円です。ユニット型個室にすると、それぞれ847円・1,694円・2,541円に上がります。2割・3割負担の人は、部屋の種類による差も2倍・3倍に広がるので、個室を選ぶかどうかの判断に効いてきます。
この表を見るときは、親の要介護度・負担割合・部屋の種類の3つを先にそろえてください。どれか1つでも違う行を見ていると、1泊の額がずれます。事業所が併設型か単独型か、送迎などの加算が付くかは、ケアマネジャーか事業所の料金表で確かめるのが早道です。単位数は加算を含まない基本の数なので、実際の請求は処遇改善加算などで数%上がります(加算の率は事業所の区分で違います)。
出典:厚生労働省 指定居宅サービス介護給付費単位数表(令和6年4月)/厚生労働省 令和8年度臨時改定の告示(新旧対照表)/厚生労働省「介護保険制度の概要」
食費と滞在費は施設との契約で決まる
食費と滞在費の額は、国が一律に決めているのではなく、施設との契約で決まります。介護サービス費のような早見表が作れないのはこのためで、親が泊まる施設の料金表を見るまでは確定しません。
国が示している「基準費用額」は、負担限度額認定を受けた人について、保険から出る分を計算するときの基準です。特定入所者介護サービス費(補足給付)は「基準費用額から負担限度額を引いた額」を支給する仕組みなので、基準費用額は施設の値段そのものではありません。ただ、施設の料金を見るときの物差しにはなるので、2026年8月1日からの額を並べておきます。
| 項目(1日あたり) | 基準費用額 |
|---|---|
| 食費 | 1,545円 |
| 滞在費・ユニット型個室 | 2,066円 |
| 滞在費・ユニット型個室的多床室 | 1,728円 |
| 滞在費・従来型個室(特養など) | 1,231円 |
| 滞在費・多床室(特養など) | 915円 |
| 滞在費・従来型個室(老健・介護医療院) | 1,728円 |
| 滞在費・多床室(老健・介護医療院・室料を取る場合) | 697円 |
部屋による差は、介護サービス費より滞在費のほうが大きく出ます。
たとえば、基準費用額どおりの施設で比べると、特養などの多床室の滞在費915円に対して、ユニット型個室は2,066円で、1泊で1,151円の差になります。介護サービス費の差(要介護3・1割で745円と847円の差の102円)より一桁大きいので、個室か多床室かで迷うときは、介護サービス費ではなく滞在費の差のほうが大きく効きます。
施設の料金表で確かめるのは、次の4つです。
- 食費が1日の額か、朝・昼・夕の1食ごとの額か
- 滞在費が部屋の種類ごとにいくらか
- 入所の日と退所の日に、食費と滞在費がどう数えられるか
- 日用品・理美容・レクリエーションなど、実費で別にかかるものは何か
日用品やおむつ代などは施設ごとの実費で、国の基準はありません。1泊の総額を正確に知りたいときは、ケアマネジャーを通して事業所の重要事項説明書か料金表を取り寄せ、上の4つに印を付けて読むと、請求との食い違いが起きにくくなります。
出典:介護保険法41条/厚生労働省「介護サービス情報公表システム」サービスにかかる利用料
認定証があれば食費と部屋代に上限がつく
世帯全員が市町村民税非課税で、預貯金などが基準以下なら、負担限度額認定を受けると食費と滞在費の支払いに段階ごとの上限がかかります。ショートステイ(短期入所生活介護・短期入所療養介護)は、この軽減(補足給付)の対象サービスに入っています。
対象は、特養・老健・介護医療院・地域密着型特養・短期入所生活介護・短期入所療養介護の6つのサービスです。有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅で泊まる場合はこの列挙に入っていないので、認定証を持っていても食費と滞在費は下がりません。ショートステイの食費の上限は、施設に入所している人の表とは別の表で決まっています。
| 段階 | 食費 | 多床室(特養など) | 従来型個室(特養など) | ユニット型個室 |
|---|---|---|---|---|
| 第1段階 | 300円 | 0円 | 380円 | 880円 |
| 第2段階 | 600円 | 430円 | 480円 | 880円 |
| 第3段階① | 1,030円 | 430円 | 880円 | 1,370円 |
| 第3段階② | 1,360円 | 530円 | 980円 | 1,470円 |
ユニット型個室的多床室の上限は第1・第2段階が550円、第3段階①が1,370円、第3段階②が1,470円です。老健・介護医療院の従来型個室も同じ並び(550円・550円・1,370円・1,470円)です。
段階は、本人の年金収入とその他の合計所得金額の合計と、預貯金などの額で決まります。
- 第1段階:生活保護を受けている人など、または世帯全員が非課税で老齢福祉年金を受けている人(老齢福祉年金の人は預貯金が単身1,000万円・夫婦2,000万円以下)
- 第2段階:年金収入などの合計が82.65万円以下で、預貯金が単身650万円・夫婦1,650万円以下
- 第3段階①:同じ合計が82.65万円超120万円以下で、預貯金が単身550万円・夫婦1,550万円以下
- 第3段階②:同じ合計が120万円超で、預貯金が単身500万円・夫婦1,500万円以下
たとえば、要介護3・1割負担の親が併設型の多床室に泊まる場合、第2段階の認定があれば1泊は介護サービス費745円+食費600円+滞在費430円=1,775円です。認定が無く、食費と滞在費が基準費用額どおりの施設なら3,205円なので、差は1泊で1,430円になります。同じ親が第3段階②なら745円+1,360円+530円=2,635円で、下がり幅は570円にとどまります。段階によって下がり方が大きく違うので、「認定を受ければ半額になる」のような覚え方はしないでください。
認定は申請しないと受けられず、申請先は市区町村の介護保険の窓口です。所得と預貯金の要件の細かい当てはめ、必要な書類、有効期限と更新は、別の記事にまとめています。ショートを使い始める前に申請しておくと、初回の利用から上限が使えるかどうかを窓口で確かめられます。※お住まいの市区町村で確認してください。
出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム」利用者負担の軽減/介護保険法51条の3
連泊したときの総額の出し方
連泊の総額は、1日あたりの介護サービス費・食費・滞在費をそれぞれ日数分掛けて足し、送迎があれば往復分の加算を足して出します。おおよその額から逆算するより、この順で積み上げたほうが、親の条件に合った数字になります。
送迎加算は、送迎が必要と認められる利用者に事業所が送迎したときに付く加算で、片道184単位です。往復なら368単位で、1単位10円の地域・1割負担で約368円になります。迎えが付く事業所と付かない事業所があるので、事業所に確かめてください。
計算の手順は次のとおりです。
- 早見表から、親の要介護度・部屋・負担割合に合う1日の介護サービス費を拾う
- 施設の料金表から、1日の食費と滞在費を拾う(認定があれば段階の上限)
- それぞれに日数を掛ける(入所日と退所日の数え方は料金表で確かめる)
- 送迎があれば、往復分の加算を足す
- 処遇改善加算などで数%、日用品の実費で少し上がると見込んでおく
例1:要介護2・1割負担・併設型の多床室・負担限度額認定なしで、2泊3日(利用日を3日として数えた場合)。食費と滞在費は基準費用額どおりの施設と仮定し、送迎は往復で使うものとします。
| 内訳 | 計算 | 額 |
|---|---|---|
| 介護サービス費 | 672円×3日 | 2,016円 |
| 送迎加算(往復) | 368単位×10円×1割 | 368円 |
| 食費 | 1,545円×3日 | 4,635円 |
| 滞在費 | 915円×3日 | 2,745円 |
| 合計(加算・日用品の前) | 9,764円 |
例2:要介護3・2割負担・併設型のユニット型個室・負担限度額認定なしで、1週間(利用日を7日として数えた場合)。食費と滞在費は基準費用額どおりと仮定し、送迎は往復です。介護サービス費は847単位×7日×10円×2割で11,858円、送迎は368単位×10円×2割で736円、食費は1,545円×7日で10,815円、滞在費は2,066円×7日で14,462円になり、合計は37,871円です。同じ1週間でも、第2段階の認定がある要介護3・1割負担の親が多床室に泊まるなら、745円×7日=5,215円、食費600円×7日=4,200円、滞在費430円×7日=3,010円、送迎368円で、合計12,793円になります。
2つの例を見比べると、総額を大きく動かしているのは介護サービス費ではなく、食費と滞在費、つまり部屋の種類と認定の有無です。ケアマネジャーから見積もりをもらうときは、「1泊いくらですか」ではなく「介護サービス費・食費・滞在費・加算を分けて、この日数でいくらですか」と聞くと、請求のときに食い違いが出にくくなります。
月の限度額の中で何日使えるか
ショートステイの介護サービス費は、デイサービスや訪問介護と同じ「区分支給限度基準額」の枠の中で数えます。枠を超えた分は保険が効かず、その分の介護サービス費は10割を払うことになります。月の枠の大きさと計算の仕方は、次の記事で要介護度別に整理しています。
区分支給限度基準額は1か月の単位数で決まっていて、要介護1が16,765単位、要介護2が19,705単位、要介護3が27,048単位、要介護4が30,938単位、要介護5が36,217単位です(1単位10円の地域なら要介護1で167,650円)。限度額の範囲内なら1割(一定以上の所得なら2割または3割)の負担で、超えた分は全額自己負担です。食費と滞在費はこの枠の外で、限度額の計算には入りません。
- 1今月の枠を確かめる要介護度ごとの1か月の単位数
- 2ほかのサービスの分を引くデイ・ヘルパー・福祉用具などの単位数
- 3残りを1日の単位数で割る端数は切り捨てて日数にする
たとえば、送迎などの加算を除いた基本の単位数だけで数えると、要介護2の親がショートステイだけを使う月なら、19,705単位÷672単位(併設型の多床室)で29日分まで枠に収まります。ところが、デイサービスや訪問介護で枠の半分ほどを使っている月は、残りの9,852単位÷672単位で14日分になり、15日目からは枠の外です。要介護1でユニット型個室なら、ショートだけでも16,765単位÷704単位で23日分が枠の上限です。
要介護度が上がると、枠に対してショートの単位数の割合が下がります。要介護3で併設型の多床室なら、ショートだけの月は27,048単位÷745単位で36日分まで枠に収まる計算になり、枠より先に、下で書く「連続30日」と「認定期間のおおむね半数」の決まりが効いてきます。要介護1・2では枠のほうが先に効くことがある、と覚えておくと計画を立てやすくなります。
加算の中には、枠に数えるものと数えないものがあります。処遇改善加算は区分支給限度基準額に算入されませんが、ほかの加算の扱いはケアマネジャーの計算で確かめてください。ケアマネジャーには「今月の枠の残りは何単位で、ショートを何日入れると超えますか」と聞けば、日数がそのまま返ってきます。デイ・ヘルパー・ショートの配分を組み直す考え方は、組み合わせの記事にまとめています。
出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム」サービスにかかる利用料/区分支給限度基準額(告示)
連続30日と「おおむね半数」の決まり

日数の決まりは2つあり、性質が違います。1つは「連続30日まで」で、特養などで受ける短期入所生活介護は、31日目以降は介護保険のショートステイに当たらなくなります。もう1つは「認定の有効期間のおおむね半数」で、ケアプランを作るときの目安です。
連続30日の決まりは、短期入所生活介護を連続して30日を超えて使ったとき、31日目以降は短期入所の介護報酬を算定できないというものです。退所した翌日に同じ事業所へ入所した場合も、連続して入所しているものとして数えます。区分支給限度額を超えて全額自己負担になった日があっても通算して数え、認定期間や保険者が変わっても30日を超えては算定できません。31日目以降は保険の外になり、事業所の料金で全額を払うことになります。
おおむね半数の決まりは、ケアマネジャーがケアプランにショートステイを入れるとき、利用日数が要介護認定の有効期間のおおむね半数を超えないようにする、という基準です。守る相手はケアマネジャーで、日数を超えたら保険給付が止まる決まりではありません。利用者の心身の状況などから特に必要と認められる場合は、超えることもあります。認定の有効期間が12か月なら、おおむね6か月分が目安です。
同じ事業所に自宅へ戻らずに長く泊まり続けると、31日目から60日目までは1日30単位が差し引かれ、61日目からは特養と同じ単位数になるという扱いもあります(併設型は31日目からの減算後の単位数のまま)。自費の日を挟んでも連続の日数は途切れません。長く泊まる場合の費用と注意点は、別の記事で詳しく書いています。
自費ショートステイになるのはいつからか(ロングショートの費用)
日数の決まりで迷ったら、まず「今回の利用が連続何日目になるか」と「今の認定期間で、すでに何日使ったか」の2つをケアマネジャーに確かめてください。どちらも、家族の側では数えにくい数字です。
出典:厚生労働省の事務連絡(短期入所のQ&A)を掲載した自治体の資料/指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準/厚生労働省 短期入所生活介護の算定構造/介護保険法27条(要介護認定)/介護保険法28条(要介護認定の有効期間)
ショートを重ねるより別の手が向くとき
ショートステイが月の半分を超えて続く、毎月のように枠の外の日が出る、という状態になったら、ショートを重ねるより、在宅の組み立てを見直すか、施設に入る場合の費用と比べるほうが向いています。
介護保険法はショートステイを「短期間」入所させるサービスと定めていて、おおむね半数の基準にも、利用者の居宅での自立した日常生活の維持に十分に留意する、という文言が添えられています。この枠組みのまま長く泊まる使い方を続けると、31日目からの保険外の日や、長期利用の減算、限度額を超えた日の10割負担といった形で、費用の計算がだんだん複雑になっていきます。
見直しの合図は、次の3つです。
- ショートの日数が、認定期間のおおむね半数に近づいている
- ショートを入れると、毎月のように限度額を超える
- 連続30日を超えないように、自費の日やほかの事業所をつないで調整している
たとえば、要介護3の親が併設型の多床室に月25日泊まると、745単位×25日=18,625単位で、枠の27,048単位のうち7割近くを使い、デイやヘルパーに回せるのは残りの8,423単位です。この場合、ショートの日数を減らしてデイサービスの回数を増やす組み直しのほうが、家族の休みは保ちつつ枠に収まることがあります。一方で、在宅での介護そのものが続けにくくなっているなら、特養などに入所したときの1か月の費用(介護サービス費・食費・居住費)と、今のショートの1か月の費用を、同じ内訳で並べて比べてください。負担限度額認定は特養・老健・介護医療院でも使えるので、比べるときは認定の段階も同じ条件にそろえます。
逆に、ショートステイを続けたほうがよいのは、普段は自宅で暮らせていて、家族の休みや用事のために月に数日だけ使う場合です。この使い方なら枠にも日数の決まりにも余裕があり、施設入所の費用と比べる段階ではありません。どちらに当たるかは、月ごとのショートの日数を数か月分並べてみると見えてきます。
出典:介護保険法8条/指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準
次は在宅か施設かを考える

ショートステイの費用を調べていると、その先の「このまま在宅で続けるか、施設を考えるか」という問いに行き当たります。費用の内訳が分かったら、次はその判断の材料をそろえる段階です。
在宅で続けるなら、デイ・ヘルパー・ショートの組み合わせを枠の中で組み直すことが中心になります。施設を考えるなら、特養・老健・有料老人ホームなどの種類ごとに、入る条件と1か月の費用を比べることになります。どちらを選ぶにしても、ショートステイで使った内訳の書き出し方(介護サービス費・食費・居住費・加算・実費)は、そのまま施設の費用を読むときにも使えます。
ショートステイそのものの種類(特養・老健・有料老人ホームのどこで泊まるか)の違いは、別の記事で整理しています。
介護のお金の全体像(認定から自己負担の上限まで)は、次のページで見渡せます。
在宅か施設かの判断の進め方と、施設の種類ごとの費用は、次のページにまとめています。
よくある質問
ショートステイの自己負担金はいくらですか?
介護サービス費の自己負担は、1単位10円の地域・1割負担・併設型の多床室なら、要介護1で1泊603円、要介護5で884円です(加算前)。これに食費と滞在費が加わり、その額は施設との契約で決まります。負担限度額認定を受けていれば、食費と滞在費は段階ごとの上限までになります。
ショートステイは要介護1で何日利用できますか?
月ごとに決まった上限日数はありません。目安になるのは、月の区分支給限度基準額の枠、短期入所生活介護の連続30日まで、認定の有効期間のおおむね半数の3つです。要介護1の枠は16,765単位なので、ほかのサービスを使っている月はその分だけ使える日数が減ります。具体的な日数はケアマネジャーに枠の残りを聞いて出してください。
ショートステイは要介護2でも利用できますか?
利用できます。短期入所生活介護は自宅で暮らす要介護1〜5の人が使えるサービスで、要支援1・2の人も介護予防短期入所生活介護として使えます。空きの状況や受け入れの条件は事業所ごとに違うので、ケアマネジャーを通して確かめてください。
送迎は別料金ですか?
送迎が必要と認められる人に事業所が送迎した場合、片道184単位の送迎加算が付きます。往復なら368単位で、1単位10円の地域・1割負担なら約368円です。送迎を行うかどうかは事業所によるので、申込みのときに確かめてください。
ショートステイの費用は医療費控除の対象になりますか?
老健などで受ける短期入所療養介護は、それだけで医療費控除の対象になる区分です。特養などで受ける短期入所生活介護は、訪問看護などの医療系のサービスと併せて使っている場合に限って対象になります。対象額は領収証に記載されるのが基本なので、領収証とケアプランで確かめてください(国税庁 タックスアンサーNo.1127)。
ショートステイの費用は誰が払うのですか?
請求先と支払い方法は、事業所との契約で決まります。親の年金から払うか、子が立て替えるかは家族で決めておいてください。子が払う場合は、誰がいつ・いくら出したかを記録しておくと、きょうだいの間や、あとで相続の話になったときに説明しやすくなります。
順番のおさらい
- 1泊の費用:介護サービス費の自己負担(1〜3割)+食費+滞在費+加算・日用品。保険が効くのは介護サービス費だけ
- 介護サービス費:要介護度・部屋・併設型か単独型かで単位数が決まり、地域の単価と負担割合で円になる
- 食費と滞在費:施設との契約で決まる。基準費用額は物差しで、値段そのものではない
- 負担限度額認定:世帯全員が非課税で預貯金が基準以下なら、食費と滞在費に段階ごとの上限がかかる。申請は市区町村
- 連泊の総額:1日分を内訳ごとに日数で掛けて足し、送迎の往復分を足す
- 使える日数:月の枠からほかのサービスを引き、残りをショートの1日の単位数で割る。超えた日は10割
- 日数の決まり:短期入所生活介護は連続30日を超えると保険の外。認定期間のおおむね半数はケアプランの目安
- 見直しの合図:ショートが月の半分を超える・毎月枠を超えるなら、在宅の組み直しか施設の費用との比較へ
- 次の段階:在宅で続けるか施設を考えるかを、同じ内訳で比べる
1泊の額を1つの数字で探しても、実際の請求は、介護サービス費・食費・滞在費が別々の決まり方をした合計なので、1つの数字では親の場合に当てはまりません。内訳を3つに分け、動かせるのは部屋の選び方と負担限度額認定、日数は枠と30日の決まりで見る。この構えでケアマネジャーと話せば、請求書を見て驚くことはなくなり、ショートを続けるか次の手を考えるかの判断も早くなります。
1単位の単価(地域区分)と負担限度額認定の申請窓口は、自治体によって違います。お住まいの市区町村で確認してください。

