- ケアマネジャーから「デイサービスを使ってみては」と言われたが、どんな所なのか分からない
- 親は要支援と言われた。要支援でもデイサービスに通えるのか
- 1日通うといくらかかるのか、月に8回ならいくらになるのか
- 食事代やおむつ代、送迎は別料金なのか
- 自宅で入浴させるのが難しくなってきた。お風呂に入れてもらえるのか
- デイケアや、小さなデイ、認知症の人向けのデイと何が違うのか
- どうやって探して、見学で何を見ればいいのか
- 親が行きたがらなかったら、ほかに何があるのか
上記のような悩みに答えます。
デイサービスは、親が自宅で暮らしながら日中だけ事業所に通う介護保険のサービスです。ただ、料金の話になると「1日いくら」という一つの数字で語られがちで、要介護度と所要時間で単位数が変わること、要支援の人は仕組みそのものが別になることは、見落とされやすいところです。事業所の案内や介護メディアの解説で1日の流れや選び方は見つかりますが、単位数の表から月の回数ぶんの自己負担を自分で出す手順や、保険の外になる費用を基準の条文で線引きした説明は、見た範囲では見つけにくいところでした。そこで、デイサービスの中身・使える人・似たサービスとの違いという基本を押さえたうえで、1回と1か月の費用の出し方、保険外の費用の範囲、合わないときの代わりの手まで、介護保険法の条文と厚生労働省の告示で確かめながら整理しました。
デイサービス(通所介護)は、要介護の人が日帰りで事業所に通い、入浴や食事などの介護と機能訓練を受ける介護保険のサービスです。要支援の人は、市区町村の通所型サービスを使います。費用は、要介護度と滞在時間で決まる介護サービス費の1〜3割に、食費などの保険外の費用を足した額です。
介護費の自己負担シミュレーター(限度額・負担割合・高額介護サービス費)
この記事の数字は2026年11月時点の数字です。
日帰りで通う介護保険のサービス

デイサービスは、法律では「通所介護」と呼ばれるサービスです。介護保険法8条7項は、通所介護を、居宅要介護者を老人デイサービスセンターなどに通わせ、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話と機能訓練を行うこと、と定めています。泊まりのサービスではなく、通って受けるサービスです。
「デイサービス」は通称で、ケアプランには「通所介護」と書かれていることがあります。介護保険法2条4項は、保険給付の内容と水準について、要介護状態になっても可能な限り居宅で、その人の能力に応じて自立した日常生活を営めるよう配慮しなければならない、と書いています。デイサービスは、この「自宅で暮らし続ける」側の柱の一つです。
条文から読み取れる中身は、次の3つにまとまります。
- 通う:事業所に通って受ける
- 介護を受ける:入浴・排せつ・食事などの介護と、日常生活上の世話
- 機能訓練を受ける:心身の機能を保つための訓練
一方で、1日に何をどれだけするかは条文では決まっておらず、入浴の回数や機能訓練の時間、午後の過ごし方は事業所ごとに違います。「デイに行けば必ず十分な機能訓練が受けられる」とは言えないので、親に何をしてほしいのかを先に決めてから事業所を選ぶほうが、通い始めてからのずれが少なくなります。
たとえば、家族が困っているのが「自宅での入浴の介助」なら、入浴の介助をしている事業所かどうかが第一の条件になります。困っているのが「日中、親が一人で過ごす時間が長い」ことなら、滞在時間の長さと送迎の時間帯が先に来ます。歩く力が落ちてきたことが気がかりで、リハビリを中心にしたいなら、デイサービスではなくデイケア(通所リハビリテーション)のほうが合うことがあり、この違いは下の「似たサービスとの違い」の項で表にしています。
迷ったときは、「家族のどの負担を、週に何時間軽くしたいか」を一行で書き出してください。入浴・見守り・食事・体を動かすことのどれが一番かが決まると、時間区分と回数、デイの種類が、費用の計算と一緒に決めやすくなります。
要介護なら通所介護、要支援は通所型
デイサービス(通所介護)を介護保険で使えるのは、要介護1〜5の認定を受けて居宅(自宅のほか、有料老人ホームなどの居室を含む)で暮らしている人です。ただし、介護付き(特定施設入居者生活介護)のホームに入居している間は、通所介護を介護保険で別に使えません。要支援1・2の人は、通所介護ではなく、市区町村が行う介護予防・日常生活支援総合事業の「通所型サービス」(法律の語では第一号通所事業)を使います。
要支援の人が「デイに通えない」わけではありません。通う先の名前と仕組みが変わり、市区町村の事業として行われるので、内容や基準、料金の決め方が市区町村ごとに違う、というのが正確なところです。市区町村独自の基準を緩めたものもあり、同じ要支援2でも、住んでいる地域で通える先と1回の料金が変わります。総合事業は、要支援の認定を受けた人のほか、基本チェックリストで該当した人(事業対象者)も対象になります。
要支援の人には、総合事業とは別に、介護予防通所リハビリテーションなど予防給付のサービスもあります。
| 親の認定 | 通う先の名前 | 費用の決まり方 |
|---|---|---|
| 要介護1〜5 | 通所介護(デイサービス)・地域密着型通所介護など | 国の告示の単位数×地域の単価×1〜3割 |
| 要支援1・2 | 総合事業の通所型サービス | 市区町村ごとに決まる |
| 要支援1・2 | 介護予防通所リハビリテーションなど | 国の告示で決まる(詳しくは地域包括支援センターに確認) |
| 事業対象者 | 総合事業の通所型サービス | 市区町村ごとに決まる |
たとえば、要介護1の母と要支援2の父が同じ家に住んでいる場合、母は通所介護の事業所をケアマネジャーと選び、父は地域包括支援センターと相談して市区町村の通所型サービスの中から選ぶことになります。同じ事業所に夫婦で通えることもありますが、父の分は市区町村の事業としての料金になり、母の分の早見表の数字は当てはまりません。
要支援の親の場合は、まず地域包括支援センターに「通所型サービスにはどんな種類があって、1回いくらか」を聞いてください。下の早見表と月の計算は、要介護の人の通所介護を前提にしています。※お住まいの市区町村で確認してください。
出典:介護保険法115条の45(介護予防・日常生活支援総合事業)
1回の費用は3つを掛けて出す
1回の介護サービス費の自己負担は、「単位数×1単位の単価×負担割合」で出します。単位数は要介護度と所要時間、事業所の規模の区分で決まり、単価は事業所がある地域で決まり、負担割合は親の所得で決まります。これに、食費などの保険外の費用を足した額が、1回に払う額です。
単位数は厚生労働省の告示で1回あたりの数が決まっていて、円ではなく「単位」で書かれています。円に直すために掛ける1単位の単価は、通所介護の場合、地域区分によって10.00円から10.90円までの幅があり、「その他」の地域は10.00円、東京都特別区のような1級地は10.90円です。訪問介護やショートステイとは単価のグループが違います。
図の計算例は、要介護1・通常規模型の事業所に7時間以上8時間未満通い、1割負担で、1単位10円の地域の場合です。基本の658単位に10円を掛けて6,580円、その1割で658円(約660円)になります。ここに食費などの保険外の費用と、事業所によって付く加算が乗ります。
同じ要介護1・7時間以上8時間未満でも、1級地の10.90円なら658単位×10.90円=7,172.2円で、1割負担なら約717円です。1回の差は約59円ですが、月8回なら約470円の差になるので、早見表の円は「1単位10円の地域の目安」として読んでください。
負担割合は、原則1割です。2割になるのは、本人の合計所得金額が160万円以上で、年金収入とその他の合計所得金額の合計が単身で280万円以上(2人以上の世帯で346万円以上)の場合、3割になるのは、合計所得金額が220万円以上で、同じ合計が単身で340万円以上(2人以上の世帯で463万円以上)の場合です。境目にいるかもしれないときは自分で計算せず、親の介護保険負担割合証の記載を見るのが確実です。
告示の単位数は加算を含まない基本の数です。実際の請求には、入浴介助加算のように事業所が届出をして付けるものや、介護職員等処遇改善加算が乗るので、基本の計算より少し上がります。基本単位数は令和6年4月からの数で、令和8年6月の臨時改定でも通所介護の基本単位数は変わっておらず、改定されたのは処遇改善加算の率でした(率は事業所の区分で違うので、ここでは数字を出しません)。
計算するときは、親の要介護度・通う時間の区分・負担割合の3つと、事業所の地域区分をそろえてから表を見てください。事業所の地域区分と付いている加算は、ケアマネジャーか事業所の料金表で確かめるのが早道です。1単位の単価は、事業所の所在地の地域区分で決まります。※お住まいの市区町村で確認してください。
出典:厚生労働大臣が定める一単位の単価(告示)/厚生労働省「介護保険制度の概要」/厚生労働省 令和8年度臨時改定の告示(新旧対照表)
要介護度と時間の早見表
通常規模型の通所介護の自己負担は、1単位10円の地域・1割負担で、7時間以上8時間未満なら要介護1の658円から要介護5の1,148円まで、3時間以上4時間未満なら370円から588円までです(加算を含まない基本部分)。
通所介護の単位数は、事業所の規模の区分ごとに、所要時間の区分と要介護度の組み合わせで決まっています。時間が長いほど、同じ時間なら要介護度が高いほど、単位数が上がります。次の表は、通常規模型の事業所で、よく使われる3つの時間区分を並べています。
1単位10円の地域・1割負担で計算した目安です。加算(入浴介助加算・処遇改善加算など)を含みません。食費などの保険外の費用は別にかかります。
| 要介護度 | 3時間以上4時間未満 | 5時間以上6時間未満 | 7時間以上8時間未満 |
|---|---|---|---|
| 要介護1 | 370単位(370円) | 570単位(570円) | 658単位(658円) |
| 要介護2 | 423単位(423円) | 673単位(673円) | 777単位(777円) |
| 要介護3 | 479単位(479円) | 777単位(777円) | 900単位(900円) |
| 要介護4 | 533単位(533円) | 880単位(880円) | 1,023単位(1,023円) |
| 要介護5 | 588単位(588円) | 984単位(984円) | 1,148単位(1,148円) |
ほかに4時間以上5時間未満・6時間以上7時間未満・8時間以上9時間未満の区分があります。4時間以上5時間未満は要介護1〜5で388〜617単位、6時間以上7時間未満は584〜1,008単位、8時間以上9時間未満は669〜1,168単位です。2割負担なら表の円をそれぞれ2倍に、3割負担なら3倍にしてください。
時間区分は、事業所の案内の「〇時〜〇時」とは一致しないことがあります。半日型の事業所なら3時間以上4時間未満の区分、朝に迎えが来て夕方に帰ってくる1日型なら7時間以上8時間未満の区分に入ることが考えられます。どの区分で請求されるかは、ケアマネジャーと事業所に確かめてください。
たとえば、要介護3の親が5時間以上6時間未満の区分で通うと、1割負担なら1回777円、2割負担なら1,554円、3割負担なら2,331円です。同じ親が7時間以上8時間未満にすると、1割負担で900円、2割負担で1,800円になり、1回あたり1割で123円の差です。3時間以上4時間未満の半日型なら1割で479円になります。
表を見ると、時間を延ばしても単位数は時間に比例しては増えていません。家族が日中に家を空けたいなら長い区分、入浴と昼食が目的なら短い区分、と目的から逆に区分を決めると、限度額の中で回数を増やす余地も見えてきます。
出典:指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(告示・通所介護費)/厚生労働省 指定居宅サービス介護給付費単位数表(令和6年4月)
月8回ならいくらか、枠の中で決まる
デイサービスに「週何回まで」という回数の上限はありません。月の回数は、区分支給限度基準額という1か月の単位数の枠の中で、訪問介護やショートステイなど、ほかのサービスと合わせてケアプランで決まります。枠の範囲内なら1〜3割の負担で、枠を超えた分の介護サービス費は全額自己負担です。
区分支給限度基準額は、要介護1が16,765単位、要介護2が19,705単位、要介護3が27,048単位、要介護4が30,938単位、要介護5が36,217単位です(1単位10円の地域なら要介護1で167,650円)。介護保険法43条1項は、保険から支給する居宅介護サービス費の総額がこの基準額をもとにした額を超えられないと定めています。市区町村が条例でこの枠を上乗せできる仕組みもあります。
月の費用は、次の順で出します。
- 早見表から、親の要介護度と時間区分に合う1回の単位数を拾う
- 1回の単位数に月の回数を掛ける(入浴介助加算などが付く事業所なら、その単位数も足す)
- ほかのサービスの単位数と合わせて、限度額の枠に収まるかを確かめる
- 枠の中の単位数に地域の単価と負担割合を掛けて、自己負担を出す
- 食費などの保険外の費用を回数ぶん足す
例1:要介護1・1割負担・1単位10円の地域で、通常規模型の事業所に7時間以上8時間未満、月8回通う場合。介護サービス費は658単位×8回=5,264単位で、自己負担は5,264円です。入浴介助加算(Ⅰ)が付く事業所で毎回入浴するなら、40単位×8回=320単位が加わり、5,584円になります。枠の16,765単位のうち、デイで使うのは(加算を除くと)5,264単位で、残りの11,501単位をヘルパーや福祉用具などに回せます。同じ条件で2割負担なら10,528円です。
例2:要介護3・2割負担・1単位10円の地域で、5時間以上6時間未満を週2回ずつ、月8回通う場合。777単位×8回=6,216単位で、自己負担は6,216単位×10円×2割=12,432円です。枠の27,048単位に対してデイの分は6,216単位なので、残りの20,832単位でほかのサービスを組めます。
この2つの例では、デイの分は枠の半分にも届きません。ただ、ショートステイや訪問介護を重ねると、枠の残りは早く減ります。処遇改善加算は限度額の枠に数えませんが、ほかの加算の扱いはケアマネジャーの計算で確かめてください。枠の大きさと超えたときの計算は、次の記事で要介護度別に整理しています。
ケアマネジャーには「デイを月◯回入れたとき、枠の残りは何単位ですか」と聞くと、ほかのサービスに回せる量がそのまま分かります。デイ・ヘルパー・ショートの配分の組み立て方は、組み合わせの記事に任せます。
出典:区分支給限度基準額(告示)/介護保険法43条/厚生労働省「介護サービス情報公表システム」サービスにかかる利用料
保険の外でかかる費用

介護サービス費の自己負担のほかに、事業所が利用者から受け取ってよい費用は、基準の条文で範囲が決まっています。食事の費用、おむつ代、通常の時間を超えて利用したときの費用、通常の事業の実施地域の外に住む人の送迎費用、日常生活に必要な便宜の費用の5つです。
指定居宅サービス等の基準96条は、通所介護の事業者が自己負担分のほかに受け取れる費用として、この5つを挙げています。どれも金額は事業所ごとに決まるので、1食いくら・おむつ1枚いくらという数字はこの記事では出しません。保険外の費用は限度額の枠にも入らないので、枠に余裕があっても、この分は回数ぶん積み上がります。
- 食事の費用:食事の提供に要する費用。保険は効かない
- おむつ代:事業所で使ったおむつの費用
- 延長の費用:利用者の希望で通常の時間を超えて利用したときの費用
- 実施地域の外の送迎費用:事業所の通常の実施地域より遠くに住む人の送迎
- 日常生活の費用:日常生活で通常必要になるもので、利用者が負担するのが適当なもの
送迎は、実施地域の中なら基本の報酬に含まれています。告示では、事業所が利用者の自宅と事業所の間の送迎をしない場合に、片道ごとに47単位を差し引く決まりになっていて、送迎は「するのが前提」の組み立てです。同じ建物に住む人や同じ建物から通う人は、1日94単位が差し引かれます(傷病などやむを得ない事情で送迎が必要な人に送迎を行った場合を除く)。家族が車で送り迎えする場合にどれだけ安くなるかは、円に直した額を事業所に確かめてください。
入浴は、事業所が届出をしていれば、入浴介助をした日に入浴介助加算が付きます。加算(Ⅰ)は1日40単位、加算(Ⅱ)は1日55単位で、どちらか一方だけです。
1単位10円の地域・1割負担なら、加算(Ⅰ)で1日約40円、加算(Ⅱ)で約55円です。すべての事業所で付くわけではないので、「入浴介助がある日は40〜55単位が加わる事業所もある」と考えてください。
たとえば、自宅で親を風呂に入れるのが難しくなってデイを考えている場合は、見学のときに「入浴介助加算は付いていますか、付くなら(Ⅰ)と(Ⅱ)のどちらですか」と聞くと、1回の費用と入浴の中身の両方が分かります。親が自宅の風呂を嫌がるようになった場合の考え方は、別の記事にまとめています。
1回に払う額を確かめるときは、事業所の料金表で、食費が1回いくらか、おむつを持参できるか、延長の料金があるか、日用品で別にかかるものは何かの4つに印を付けて読むと、月末の請求との食い違いが起きにくくなります。
出典:指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準96条/指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(告示・通所介護費の注)
似たサービスとの違い
通いのサービスには、通所介護のほかに、地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護・通所リハビリテーション(デイケア)があります。違いは、定員、対象になる人、目的と実施場所で決まっていて、どれも介護保険法8条に定義があります。
地域密着型通所介護は、内容は通所介護と同じで、利用定員が18人以下の小さな事業所です。通所介護の利用定員の基準が19人なので、19人未満が地域密着型、という線引きになります。認知症対応型通所介護は、認知症である要介護の人を対象にした通所介護です。デイケアは、主治の医師が認めた人が、介護老人保健施設・介護医療院・病院・診療所などに通って受けるリハビリテーションで、目的が「心身の機能の維持回復」とはっきり書かれています。
| 種類 | 定義の要点 | 1単位の単価のグループ |
|---|---|---|
| 通所介護 | 入浴・排せつ・食事等の介護と機能訓練。利用定員19人以上 | 10.00〜10.90円 |
| 地域密着型通所介護 | 通所介護と同じ内容で、利用定員18人以下 | 10.00〜10.90円 |
| 認知症対応型通所介護 | 認知症である要介護の人が対象の通所介護 | 10.00〜11.10円 |
| 通所リハビリテーション(デイケア) | 主治医が認めた人が老健・病院・診療所などに通って受けるリハビリ | 10.00〜11.10円 |
地域密着型通所介護と認知症対応型通所介護は「地域密着型サービス」に入ります。認知症対応型とデイケアは単価のグループが通所介護と違い、デイケアは医療費控除の扱いも違います(下の「よくある質問」で触れます)。
たとえば、親が人の多い場所で落ち着かないなら、定員の小さい地域密着型通所介護が候補になります。認知症があり、通所介護で落ち着いて過ごせなかったなら、認知症対応型通所介護を考える余地があります。退院した直後で歩く練習を続けたいなら、主治医に相談してデイケアを検討することになります。なお、早見表は通常規模型の通所介護の数字で、地域密着型通所介護や認知症対応型は別の表で決まるので、単位数は事業所に確かめてください。どれが合うかは、主治医とケアマネジャーに親の様子を伝えて一緒に決めてください。
種類で迷ったら、「親に一番必要なのは、介護・見守り・リハビリのどれか」を先に決めてください。介護と見守りなら通所介護か地域密着型、リハビリならデイケア、認知症への配慮が一番なら認知症対応型、と候補が絞れます。
出典:介護保険法8条/厚生労働大臣が定める一単位の単価(告示)
探し方と見学・体験のしかた
デイサービスを探すときの相談先は、要介護の人はケアマネジャー、要支援の人は地域包括支援センターです。候補の事業所を出してもらい、見学してから契約し、ケアプランに入れる、という順に進みます。
ケアマネジャーの事業所は、契約の前に重要事項説明書を渡して説明し、同意を得ることになっています。そのとき、ケアプランは利用者の希望に基づいて作られること、利用者は複数のサービス事業所の紹介を求められることも説明されます。ケアマネジャーの仕事は、特定の種類や事業所に不当に偏らないよう公正中立に行うことが基準で決まっているので、「候補を2〜3か所出してください」と頼んでかまいません。
- 1ケアマネに相談する目的と時間区分、曜日を伝える
- 2候補を出してもらう複数の事業所の紹介を求められる
- 3見学・体験をする体験の可否と料金は事業所に聞く
- 4契約してケアプランに入れる料金表と重要事項を読んでから
見学では、次の点を見てください。
- 送迎の時間帯と、自宅から何分ぐらい車に乗るか
- 入浴の方法と、入浴介助加算が付くかどうか
- 午前・午後の過ごし方と、親が一人で静かにいられる場所があるか
- 食事の内容と、食費・おむつ代・延長の料金
- 親と同じくらいの要介護度の人が通っているか
体験利用ができるかどうか、体験の料金がかかるかどうかは、事業所によって違います。親が乗り気でないときほど、いきなり週2回で始めるより、体験や見学に一緒に行って、親が自分で「ここなら」と言える所を探すほうが続きやすくなります。
たとえば、平日の日中に家族が家にいないなら、送迎の時間が出勤・帰宅に合うかが最初の条件です。家族が家にいて入浴だけが難しいなら、送迎時間より入浴の方法が先に来ます。
ケアマネジャーには、「親が嫌がりそうなこと」「家族が一番困っていること」「使える曜日と時間」の3つを紙に書いて渡すと、候補の出し方が具体的になります。
出典:指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準4条
デイサービスが合わないとき
デイサービスが合うのは、親が送迎の車に乗って事業所に通え、日中の数時間を事業所で過ごせる場合です。リハビリが中心の目的ならデイケア、通うこと自体が難しいなら訪問のサービス、夜も含めた介護の休みが要るならショートステイのほうが合うことがあります。
介護保険法2条3項は、保険給付は被保険者の選択に基づいて行われるよう配慮しなければならない、と書いています。デイサービスを使うかどうかも、本人が選ぶことが前提です。デイが合わないときに別の手を選ぶのは、制度の想定の内側にあることです。
デイサービスを選ばないほうがよい条件は、次のとおりです。
- 主治医からリハビリを勧められていて、機能の回復が一番の目的:デイケアを検討する
- 車での送迎や、事業所で数時間座って過ごすことが体の負担になる:訪問介護など自宅で受けるサービスを考える
- 家族が泊まりがけで家を空ける、夜の介護で疲れている:ショートステイを組み合わせる
- 親がデイを強く嫌がり、体験にも行きたがらない:まず理由を聞き、ケアマネジャーと別の入り方を探す
たとえば、介護する家族が出張で数日家を空けるなら、デイを毎日入れるより、ショートステイを数泊入れるほうが合います。ショートステイの1泊の費用の出し方は、次の記事で整理しています。
親がデイサービスを嫌がるときは、「人が多い」「子ども扱いされる」「お風呂を人に見られたくない」など、理由によって打つ手が変わります。定員の小さい地域密着型にする、半日型から始める、入浴のない日だけにする、といった調整ができる場合もあります。嫌がるときの向き合い方は、別の記事にまとめています。
デイが合わないと分かったことも、次の手を決める材料になります。何が合わなかったのか(送迎・時間・人の多さ・入浴)をケアマネジャーに伝えれば、別の種類のデイか、別のサービスかを一緒に組み直せます。
次は在宅か施設かを考える

デイサービスを入れて在宅の介護が回り始めても、要介護度が上がったり、家族の事情が変わったりすると、「このまま在宅で続けるか、施設を考えるか」という問いに行き当たります。デイに通い続けるのが難しくなってきたときが、その判断の材料をそろえ始める合図です。
在宅で続けるなら、デイ・ヘルパー・ショートの組み合わせを限度額の枠の中で組み直すことが中心になります。施設を考えるなら、特養・老健・有料老人ホームなどの種類ごとに、入る条件と1か月の費用を比べます。なお、介護付きの有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)に入ると、訪問介護やデイサービスなどは介護保険では別に使えなくなるので、今のデイを続けたいかどうかも比べる材料の一つになります。
介護のお金の全体像(認定から自己負担の上限まで)は、次のページで見渡せます。
在宅か施設かの判断の進め方と、施設の種類ごとの費用は、次のページにまとめています。
出典:指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(告示)
よくある質問
デイサービスって1日いくらですか?
介護サービス費の自己負担は、要介護度と所要時間、事業所の規模の区分で変わります。1単位10円の地域・1割負担・通常規模型なら、7時間以上8時間未満で要介護1が658円、要介護5が1,148円です(加算前)。これに食費などの保険外の費用が加わり、その額は事業所が決めます。
デイサービスが受けられる条件は?
通所介護(デイサービス)を介護保険で使えるのは、要介護1〜5の認定を受けて居宅(自宅のほか、有料老人ホームなどの居室を含む)で暮らしている人です。ただし、介護付き(特定施設入居者生活介護)のホームに入居している間は、通所介護を介護保険で別に使えません。要支援1・2の人や事業対象者は、市区町村の総合事業の通所型サービスを使います。まだ認定を受けていない場合は、市区町村の窓口か地域包括支援センターで要介護認定の申請から始めます。
デイサービスに月に8回通所するといくらかかりますか?
要介護1・7時間以上8時間未満・1割負担・1単位10円の地域なら、658単位×8回で5,264円です(加算前)。入浴介助加算(Ⅰ)が毎回付けば320円が加わります。食費などの保険外の費用は、8回分を別に足してください。
要介護1でデイサービスは週に何回通えますか?
回数そのものの上限はありません。要介護1の月の限度額16,765単位の中で、ほかのサービスと合わせてケアプランで決まります。デイの回数を増やしたいときは、ケアマネジャーに枠の残りを聞いて、何回まで入れられるかを出してもらってください。
デイサービスの費用は医療費控除の対象になりますか?
通所介護は、訪問看護や通所リハビリなど医療系のサービスと併せて使っている場合に限って、自己負担が医療費控除の対象になる区分です。デイサービスだけを使っている場合は対象になりません。併用しているかどうかは領収証とケアプランで確かめてください(国税庁 タックスアンサーNo.1127)。
体験利用はできますか?
体験利用を受け付けているか、料金がかかるかは事業所によって違います。ケアマネジャーを通して、見学と体験の両方ができるかを聞いてもらうのが早道です。親が乗り気でないときほど、契約の前に一度体験しておくと、通い始めてからのずれが少なくなります。
順番のおさらい
- デイサービスとは:通所介護。日帰りで通い、入浴・排せつ・食事などの介護と機能訓練を受ける
- 使える人:要介護1〜5は通所介護。要支援1・2と事業対象者は市区町村の通所型サービスで、内容と料金は市区町村ごとに違う
- 1回の費用:単位数×1単位の単価×負担割合に、食費などの保険外の費用を足す
- 早見表:要介護度と時間区分で単位数が決まる。円は1単位10円の地域の目安で、加算は別
- 月の費用:1回の単位数×回数を、ほかのサービスと合わせて限度額の枠に収める。回数の上限はない
- 保険外の費用:食事・おむつ代・延長・実施地域外の送迎・日常生活費。送迎は実施地域内なら基本報酬に含まれる
- 似たサービス:地域密着型は定員18人以下、認知症対応型は認知症の人が対象、デイケアは主治医が認めたリハビリ
- 探し方:要介護はケアマネジャー、要支援は地域包括支援センター。複数の紹介を求め、見学・体験してから契約
- 合わないとき:リハビリならデイケア、通えないなら訪問、泊まりならショート
- 次の段階:在宅で続けるか施設を考えるかを、費用と親の様子で比べる
デイサービスの料金を「1日いくら」の一つの数字で探しても、親の要介護度・通う時間・負担割合・地域がそろわなければ、親の場合の額にはなりません。まず家族のどの負担を軽くしたいかを決めて時間区分を選び、早見表の単位数に回数を掛けて枠の残りを見る。この順でケアマネジャーと話せば、通う回数も月の予算も、契約の前に見当がつきます。
1単位の単価(地域区分)と、要支援の人の通所型サービスの内容と費用は、自治体によって違います。お住まいの市区町村で確認してください。

