遺品整理は相続を決めてから|親の分を自分でやる条件・先に探す物・賃貸の退去手順

日の差す空き家の和室
  • 親の家の遺品整理を、何から手を付ければいいのか分からない
  • 四十九日が過ぎてからでいいのか、もっと早く始めるべきなのか
  • 親の部屋は賃貸なので、早く退去しないと家賃がかかり続けるのが気になる
  • 相続放棄をするかまだ決めていないのに、物を捨ててしまっていいのか
  • 親に借金があったかもしれないが、どこを見ればいいのか分からない
  • 通帳や印鑑、家の権利証がどこにあるのか見当がつかない
  • 自分たちで片付けるか、業者に頼むかを決められない
  • 業者に頼んで、あとから高い料金を請求されないか心配
  • 兄弟に黙って捨てたら、あとで揉めそうな気がする

上記のような悩みに答えます。

遺品整理は、亡くなった親の持ち物を、残す物・人に渡す物・手放す物に分けて片付けることです。片付けそのものより先に、相続を引き継ぐか放棄するかという判断があり、決める前に捨てたり売ったりすると、放棄できなくなることがあります。検索の上位は地域の遺品整理業者とそのランキングで、作業の流れや業者の選び方は詳しい一方、「業者に連絡する前に家族がやっておくこと」と「業者に頼まなくていい場合」はほとんど書かれていません。そこで、始める時期・手順・業者の選び方という基本を押さえたうえで、相続の判断と作業の順番の関係、捨てる前に探す物、賃貸の部屋の退去の段取り、自分でやる場合の条件まで、民法・廃棄物処理法・古物営業法の条文と、環境省・国民生活センターの案内で確かめながら整理しました。

先に答え

親の遺品整理は、相続を引き継ぐかどうかを決めてから本格的に処分するのが基本です。その前に通帳や権利証、借金の手がかりを先に探しておきます。賃貸の場合は大家に連絡して、解約と退去の段取りを相談してください。自分でやるか業者に頼むかは、荷物の量と実家までの距離で決めます。

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目次

遺品整理は相続の方向を決めてから

日の差す空き家の和室

遺品整理を本格的に始めるのは、相続を引き継ぐか、放棄するかの方向が決まってからです。それまでは、物を捨てる・売る・形見分けをするより、探して記録することを先にします。

順番がこうなるのは、遺品が「相続財産」だからです。民法は、相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは、単純承認(財産も借金もすべて引き継ぐこと)をしたものとみなすと定めています(民法921条。条文にはただし書で例外もあります)。親に借金があって放棄を考えていたのに、先に家財を処分していたために放棄が認められない、ということが起こりえます。

一方で、相続放棄の期限は、自分のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内です(民法915条1項)。何もしないまま3か月が過ぎると、これも単純承認とみなされます。つまり遺品整理には、「急いで捨てると放棄できなくなるかもしれない」と「何もしないでいると期限が過ぎる」という、逆向きの2つの力がかかっています。

遺品整理は、相続の方向を決めてから
  1. 1探して記録する通帳・権利証・借金の手がかりを先に集める
  2. 2相続の方向を決める知った時から3か月以内に、引き継ぐか放棄するか
  3. 3兄弟で範囲を決める残す物・形見分け・手放す物
  4. 4仕分けと処分自分でやるか業者に頼むかを決めて進める
  5. 5部屋を空ける賃貸なら退去、持ち家なら実家の行き先へ

たとえば、親が年金で暮らしていて借入の話も聞いたことがなく、通帳にも返済の引き落としが見当たらない家なら、引き継ぐ方向はすぐ決まり、片付けにも早く入れます。逆に、親が商売をしていた、知人の保証人になっていたと聞いたことがある、督促らしい郵便が届いている、という家は、方向が決まるまで処分を待つほうが安全です。

何が処分にあたるかは、物の種類や事情によって判断が分かれます。この記事では、どの行動が処分にあたるかを一つずつ判定することはしません。放棄を少しでも考えているなら、捨てる・売る・形見分けをする前に、家庭裁判所の手続きに詳しい弁護士・司法書士に確かめてください。相続放棄の申述先は、亡くなった親の最後の住所地の家庭裁判所で、手続きの流れはそこでも案内を受けられます。相続税がかかるかどうかの計算は、税理士の領分です。

編集部の整理では、遺品整理のスタートは「片付け始めた日」ではなく「相続の方向が決まった日」です。それまでの時間は、部屋を減らす時間ではなく、判断の材料を集める時間だと考えると、焦りが少し和らぎます。

相続放棄の期限はいつから3か月?|数え方・延長・過ぎたとき

3か月の間にやること・やらないこと

相続の方向を決めるまでの3か月は、「探す・集める・記録する」に使い、「捨てる・売る・配る」は待ちます。調べがつかないときは、3か月のうちに家庭裁判所に期間を延ばすよう請求できます(民法915条1項ただし書)。

この期間が設けられているのは、財産と借金の中身を調べてから、引き継ぐかどうかを選べるようにするためです。民法は、承認か放棄かを決める前に相続財産を調べることもできると定めています(同条2項)。遺品の中から通帳や郵便物を探し出す作業は、まさにこの「調べる」にあたる仕事です。

亡くなってからの時間の使い方を、やることと待つことに分けると次のようになります。

時期 やること 待つこと
葬儀のあと〜 郵便物・通帳・権利証・契約書を探して一か所に集める 家財の廃棄、買い取り業者への売却
調べている間 借入先や残高を問い合わせ、分かったことを記録する 形見分け
方向が決まったら 兄弟で処分の範囲を決め、仕分けに入る (引き継ぐなら、ここから本格的に処分)
調べがつかないとき 3か月のうちに家庭裁判所へ期間の伸長を請求する 期限の直前まで何もしないこと

たとえば、葬儀や役所の手続きに追われて、気づけば数週間が過ぎていた、という家は少なくありません。それでも、郵便物を毎日一か所に集め、届いた順に封筒の差出人を書き出しておくだけで、借入先やカード会社の手がかりは少しずつ見えてきます。そのうえで、問い合わせが終わらないまま3か月が近づいたら、何をどこまで調べたかのメモを持って、期間の伸長を検討してください。

亡くなった日を入れると、相続放棄などの期限を日付で出せる計算ツールがあります。まず自分の家の期限を書き出してから、片付けの予定を組むと、順番を間違えにくくなります。

亡くなったあとの期限を日付で出す計算ツール

四十九日を一つの区切りにする家は多いですが、法律上の期限ではありません。四十九日まで待つかどうかより、3か月の期限の中で、探す作業が終わっているかどうかで考えると判断しやすくなります。編集部としては、葬儀のあとすぐに「探す」だけを始め、「捨てる」は方向が決まるまで待つ、という分け方をすすめます。

捨てる前に探しておく物

テーブルの上の鍵

片付けで最初にやるのは、相続の判断と手続きに要る物を探し出すことです。ごみ袋に入れてしまうと取り戻せない物から先に確保します。

これを先にする理由は二つあります。一つは、財産と借金の手がかりが無いと、引き継ぐか放棄するかを決められないこと。もう一つは、預金の解約、名義の変更、保険金の請求といったあとの手続きに、原本が求められる書類があることです。業者に作業を頼む場合でも、貴重品や書類の捜索は家族が先に済ませておくと、取り違えや紛失を防ぎやすくなります。

探しておく物は、次のとおりです。

  • お金と財産の手がかり:通帳・キャッシュカード・証券会社や保険会社からの郵便・家の権利証(登記識別情報)・固定資産税の通知
  • 借金の手がかり:借入先やカード会社からの郵便・督促状・契約書の控え・保証人になったことが分かる書類
  • 手続きに使う物:印鑑・年金の書類・健康保険証・賃貸の契約書・公共料金の請求書
  • 遺言書:見つかったら、勝手に開けずに保管し、扱いを家庭裁判所や弁護士・司法書士に確かめる
  • デジタルの手がかり:スマホ・パソコン・ネット銀行や証券のログイン情報が書かれたメモ
  • 現金・貴金属:見つけた場所と額をメモし、兄弟が分かる形で保管する

たとえば、親の机の引き出しから現金が出てきた場合、その場で葬儀代に充てたり、兄弟の誰かが持ち帰ったりすると、あとで誰がいくら持っているのか分からなくなります。見つけた日・場所・額を書き、写真を撮り、兄弟に知らせたうえで一か所に保管しておくと、相続の話し合いで説明しやすくなります。放棄を考えている場合は、使う前に弁護士・司法書士に確かめてください。

スマホやパソコンの中には、ネット銀行やネット証券の口座、月額のサービスの契約が残っていることがあります。ロックの解除を無理に試すより、郵便やメールで届いている取引の通知、通帳への引き落としの記録から、どこと契約していたかを書き出すほうが手がかりを得やすくなります。

編集部の整理では、この段階のゴールは「部屋が片付くこと」ではなく、「財産と借金と契約の一覧が一枚の紙になること」です。その一枚があれば、相続の方向を決める話し合いも、専門家への相談も、ずっと短く済みます。

賃貸の部屋は大家への連絡から

親が賃貸の部屋に住んでいた場合は、片付けより先に、大家または管理会社に亡くなったことを連絡し、解約と退去の段取りを相談します。

連絡が先になるのは、借りていた側の立場も、相続の対象になりうるからです。民法は、相続人は、相続開始の時から、亡くなった人の財産に属した一切の権利義務を引き継ぐと定めています(民法896条)。条文に賃貸借という言葉は出てきませんが、この一般的な決まりから、部屋を借りている立場も相続人に移ることがあります。そのため、解約や退去の話は、相続人が大家・管理会社と進めることになります。

大家・管理会社と確かめておくことは、次のとおりです。

  • 解約の申し入れの方法と、契約が終わる日の決まり方
  • 家賃がいつの分までかかるか
  • 退去の立ち会いの日と、鍵の返し方
  • 原状回復で、どこまで直す必要があるか
  • 敷金の扱いと、精算の連絡を誰が受けるか
  • 連帯保証人や保証会社がいる場合の連絡先

退去までの期限や、家賃・原状回復費の扱いは、契約書と大家・管理会社との話で決まります。手元の賃貸の契約書を先に探し出し、その内容を見ながら話すと、言った言わないになりにくくなります。

たとえば、兄弟が離れて住んでいて、誰が大家と話すのかが決まらないまま時間が過ぎると、その間も、契約の内容によっては家賃がかかり続けます。窓口を一人に決め、ほかの兄弟には話した内容をそのつど伝える形にしておくと、連絡が二重になったり、食い違ったりしません。

もう一つ、放棄を考えている家は注意が要ります。賃貸の部屋を空けるには家財を運び出す必要があり、解約の手続きそのものも、相続人として進めることになります。放棄を検討しているなら、解約や退去を進めることが放棄の判断に影響しないかを、先に弁護士・司法書士に確かめてください。家賃がかかり続ける焦りはあっても、順番を逆にしないことが、あとで困らないための一番の近道です。

兄弟で決めておくことと形見分け

和室の廊下

兄弟がいるなら、片付けに入る前に、誰が中心になるか、何を残すか、形見分けをどうするかを決めておきます。

先に決めるのは、遺品が相続人みんなのものだからです。相続人が複数いる間は、遺品は一人のものではありません。一人の判断で捨てた物が、ほかの兄弟にとって大事な物だった、値打ちのある物だった、ということが、あとの揉めごとの入口になることがあります。

決めておくことは、次のとおりです。

決めること 決め方の例
窓口になる人 実家に近い人、大家や役所と話しやすい人
残す物の範囲 写真・手紙・位牌など、一度は全員に見せてから決める
形見分けの時期 相続の方向が決まってから
手放す物の決め方 一覧か写真で共有し、反対がなければ処分する
費用の分担 業者代や交通費を、誰がどう出すか

形見分けは、相続の方向が決まってからにしてください。形見分けが処分にあたるとみなされると、放棄の判断に影響することがあります。どこまでが問題になるかは物の種類や事情によるので、迷う物は弁護士・司法書士に確かめてから渡します。

たとえば、長男が実家の近くに住み、ほかの兄弟は遠方という家では、片付けの実務が長男に集中しがちです。「近くにいるから」と任せきりにすると、残す物の判断まで一人で背負うことになり、あとで「勝手に捨てた」と言われる原因になります。迷う物は写真で共有し、手放す前に一言確認する、という決まりを最初に作っておくと、作業する人も守られます。

思い出の物を手放すのがつらいのは、自然なことです。無理に一度で決めず、迷う物を入れる箱を一つ作り、ほかの片付けが終わってからもう一度見る、という進め方でも構いません。編集部の整理では、兄弟の話し合いで決めるべきは「何を捨てるか」より「誰がどう決めるか」です。決め方さえ合意しておけば、一つひとつの判断で揉めにくくなります。

自分で遺品整理をするときの手順

自分たちで片付けるなら、探す → 仕分ける → 手放す → 掃除して空ける、の順で進めます。

この順番にするのは、後ろの工程ほど取り返しがつかないからです。探す前に仕分けを始めると、書類が他の紙類に紛れて捨てられます。仕分けが終わる前に処分を頼むと、残すはずの物まで運ばれてしまいます。

自分でやる人が先に用意しておくもの
仕分け用

  • 残す・渡す・迷う・手放すの4つの置き場
  • 写真を撮るスマホと、記録のメモ
処分用

  • 自治体のごみの分け方と粗大ごみの出し方
  • 大型の家具・家電を運ぶ手段

手順ごとのやり方は次のとおりです。

  • 探す:前の項の「捨てる前に探しておく物」を、部屋ごとに確認する
  • 仕分ける:残す・渡す・迷う・手放すの4つに分け、迷う物は箱にまとめる
  • 手放す:ごみは自治体のルールで出し、使える物は譲る・売るを検討する
  • 大型の物:家具や家電は粗大ごみの申し込みか、家電の回収の決まりに従う
  • 掃除して空ける:賃貸なら退去の立ち会いまでに、持ち家なら行き先が決まるまでに

自分で運び出す場合は、お住まいの自治体のごみの出し方に従います。家庭から出る不用品は、自治体の決まりで出すのが基本です。大型の家具や家電は、粗大ごみの申し込みや家電の回収の決まりがあります。

※粗大ごみの出し方や、一般廃棄物の収集運搬の許可業者は自治体によって違います。お住まいの市区町村で確認してください。

たとえば、実家まで車で行ける距離に住んでいて、週末ごとに通える家なら、一部屋ずつ「探す・仕分ける」まで進め、手放す物がまとまったら粗大ごみの日に合わせて出す、という進め方ができます。一方で、遠方で何度も通えない家は、通える日数の中で「探す・仕分ける」だけを家族でやり、運び出しと掃除は業者に頼む、という分け方も考えられます。

片付けの途中で疲れ切ってしまうのは、作業量より判断の数が多いからです。一日で決める物の数を絞り、迷う物は箱に送る、と決めておくと、続けやすくなります。編集部の整理では、自分でやる場合のコツは早さより「決めた順番を崩さないこと」です。

自分でやるか業者かを決める条件

自分でやるか業者に頼むかは、荷物の量、実家までの距離、使える時間の3つで決めます。

この3つで決まるのは、遺品整理の手間のほとんどが「運ぶこと」と「通うこと」にあるからです。仕分けの判断は家族にしかできませんが、運び出しと掃除は人に任せられます。逆に言えば、全部を自分でやるか、全部を業者に頼むか、の二択で考える必要はありません。

条件 自分でやりやすい 業者に頼むほうが楽
荷物の量 部屋が少なく、大型の家具が少ない 一軒家まるごと、物置や倉庫もある
距離 近くに住んでいて、何度も通える 遠方で、通える日が限られる
時間 賃貸の退去まで余裕がある 退去の日が迫っている
人手 兄弟や家族が一緒に作業できる 作業する人が一人しかいない
運ぶ手段 車があり、粗大ごみの出し方が分かる 運び出す手段が無い

業者に頼まなくていいのは、たとえば次のような家です。親が施設に入る前に物を減らしていて荷物が少ない、兄弟が近くに住んでいて週末ごとに集まれる、持ち家で退去の期限が無く、時間をかけてよい。こうした家は、自治体のごみの出し方と粗大ごみの申し込みで、片付けを進められます。

反対に、遠方の賃貸で退去の日が決まっている、作業できる人が一人しかいない、という家は、運び出しと掃除だけでも業者に任せると、家族は「探す・決める」に時間を使えます。

たとえば、兄弟二人が近くに住み、親の部屋が賃貸のワンルームという家なら、仕分けを二人で終え、粗大ごみの申し込みをして、自分たちで空けることも十分に考えられます。同じ兄弟でも、親が一軒家に住んでいて、二人とも遠方なら、探す作業だけを帰省のときに済ませ、残りは業者に頼むほうが現実的です。

編集部の整理では、決め方の順番は「家族にしかできないこと(探す・決める)を先に終え、残った作業を誰がやるか」です。そう考えると、業者に頼む範囲も、見積を取るときに伝える内容もはっきりします。

業者に頼むなら許可と見積を確かめる

業者に頼むなら、家庭の不用品を運ぶ許可があるか(または許可を持つ業者に処分を任せているか)と、見積の中身を、複数の業者で比べて確かめます。

許可を確かめるのは、家庭から出た物を運ぶ仕事には、法律の決まりがあるからです。廃棄物処理法は、一般廃棄物の収集・運搬を業として行おうとする者は、原則として市町村長の許可を受けなければならないと定めています(廃棄物処理法7条1項)。環境省は家庭の廃棄物の回収について、市区町村の一般廃棄物処理業の許可(または市区町村の委託)が無い業者は無許可の回収業者であり、産業廃棄物処理業の許可や古物商の許可だけでは回収できない、と注意を呼びかけています。遺品の処分も、家庭から出る不用品にあたる場面が多くあります。

もう一つ、遺品の買い取りを掲げる業者が持っている古物商の許可は、中古品を買い取って売る営業のための、都道府県公安委員会の許可です(古物営業法3条)。買い取りの許可であって、ごみを運ぶ許可ではありません。買い取りの額は物の状態や業者によって違い、思っていたより安くなることもあるので、処分の料金と分けて見比べてください。

見積の中身を比べるのは、契約のトラブルが実際に起きているからです。国民生活センターは2018年7月に、見積で契約を急かされた、解約で高額なキャンセル料を求められた、作業の当日に予定外の料金を求められた、残すはずの遺品を勝手に処分された、といった相談を受けて、複数の業者から見積を取るよう呼びかけました。

業者に確かめることは、次のとおりです。

  • 一般廃棄物の収集運搬の許可を持っているか、または許可業者に処分を任せているか
  • 見積書に、作業の範囲と料金の内訳が書かれているか
  • 追加料金がかかる条件と、キャンセル料の決まり
  • 残す物と処分する物を、作業の前にどう確認するか
  • 買い取りがある場合、買い取りの額と処分の料金が分けて書かれているか

料金は、荷物の量や作業の範囲、地域、業者によって違います。相場の数字をうのみにせず、同じ条件で複数社から見積を取って、幅を見てください。残す物と処分する物は、業者が来る前に家族で分け、残す物には目印をつけておくと、無断で処分されるトラブルを防ぎやすくなります。許可の有無の確かめ方は、お住まいの市区町村で確認できます。契約で困ったときは、消費生活センターに相談できます。

たとえば、1社目の見積が安く見えても、運び出しの範囲に物置が入っていない、搬出の追加料金の条件が書かれていない、ということがあります。2社目、3社目の見積と並べると、どこが含まれていて、どこが別料金なのかが見えてきます。相続放棄を考えている間は、処分を頼む前に放棄するかどうかを決めておくことも忘れないでください。

※この枠にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。

業者に頼むと決めたら、1社だけで決めずに見積を比べると、作業の範囲と追加料金の条件が見えてきます。相続放棄を考えている間は、処分を頼む前に放棄するかどうかを決めてください。複数の業者から無料で見積を取れるサービスもあります。

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実家が残るなら、次は実家の話

親が持ち家に住んでいたなら、遺品整理が終わると、次は実家を売るのか、残すのかを決める番です。

ここで実家の話につながるのは、片付けと実家の行き先が切り離せないからです。売るなら、家を空にしてから査定や売却に進む場合があり、残すなら、誰が管理し、固定資産税を誰が払うかを決める必要があります。相続した実家を売る場合には、使える特例と、その期限もあります。

実家の名義を親から相続人に移す相続登記にも、期限があります。売るにしても残すにしても、名義が親のままでは先に進めない場面が出てくるので、遺品整理の終わりが見えてきたら、相続登記の準備も並行して始めてください。

たとえば、兄弟の誰も実家に住む予定がなく、片付けが終わったら売ると決めている家なら、遺品整理と並行して特例の要件と期限を確かめておくと、売り時を逃しません。逆に、いずれ誰かが戻るかもしれないなら、片付けを全部終わらせず、使う物を残したまま管理の分担を決めるほうが自然です。

実家をどうする|実家が空き家になりそうな人へ

空き家の3,000万円控除の要件は?|実家を売る前に確かめること

相続登記の期限と手順|名義を移す前に確かめること

亡くなったあとの手続きを、期限の順番で見直したいときはこちらです。

亡くなったあと|期限の順番

よくある質問

遺品整理は、いつから始めればいいですか?

四十九日などを区切りにする家が多いですが、法律で決まった時期はありません。相続放棄の期限は、相続の開始を知った時から3か月以内なので(民法915条1項)、葬儀のあとすぐに通帳や郵便物を探す作業だけを始め、捨てる・売るは相続の方向が決まってからにすると、順番を間違えにくくなります。

遺品整理を業者に頼むと、いくらくらいかかりますか?

荷物の量、作業の範囲、地域、業者によって違うので、この記事では金額を示していません。同じ条件で複数の業者から見積を取り、作業の範囲・追加料金の条件・キャンセル料を並べて比べてください。国民生活センターも2018年7月に、複数社から見積を取るよう呼びかけています。

業者が許可を持っているかは、どう確かめればいいですか?

家庭から出た物を運ぶには、原則として市町村長の一般廃棄物の収集運搬の許可が要ります(廃棄物処理法7条1項)。業者に、その許可を持っているか、許可業者に処分を任せているかを聞き、あわせてお住まいの市区町村にも確認してください。古物商の許可は買い取りのための許可で、ごみを運ぶ許可とは別です(古物営業法3条)。

遺品整理士の資格がある業者なら安心ですか?

遺品整理士という呼び名は、市町村が出す家庭の廃棄物を運ぶための許可とは別のものです。業者を選ぶときは、資格の名前よりも、一般廃棄物の収集運搬の許可(または許可業者への委託)があるか、見積書の内容が具体的かを確かめてください。

相続放棄をしたら、遺品には一切触れなくていいのですか?

相続放棄をした人でも、放棄の時に相続財産を現に占有しているときは、次に相続人になる人などに引き渡すまで、自分の財産と同じ注意で保存しなければならないと定められています(民法940条1項)。自分が占有にあたるか、どこまで保存する必要があるかは事情によるので、家庭裁判所の手続きに詳しい弁護士・司法書士に確かめてください。

親のスマホやパソコンは、どうすればいいですか?

中にネット銀行やネット証券の口座、月額のサービスの契約が残っていることがあります。ロックの解除を無理に試すより、メールや郵便の取引の通知、通帳への引き落としの記録から契約先を書き出し、それぞれの窓口に問い合わせてください。端末そのものは、手続きが終わるまで捨てずに保管しておきます。

片付けの途中で現金や貴金属が出てきたら、どうすればいいですか?

見つけた日・場所・額をメモし、写真を撮り、兄弟に知らせたうえで一か所に保管してください。その場で使ったり持ち帰ったりすると、あとで説明がつかなくなります。放棄を考えている場合は、使う前に弁護士・司法書士に確かめてください。

順番のおさらい

  1. 方向を決めてから:遺品は相続財産。処分すると単純承認とみなされることがあるので、本格的な処分は相続の方向が決まってから
  2. 3か月の使い方:探す・集める・記録するに使い、捨てる・売る・配るは待つ。調べがつかなければ、3か月のうちに期間の伸長を請求する
  3. 先に探す物:通帳・権利証・借金の手がかり・契約書・印鑑・遺言書。一覧を一枚の紙にする
  4. 賃貸:借りていた立場も相続の対象になりうるので、まず大家・管理会社に連絡し、契約書を見ながら解約と退去を相談する
  5. 兄弟:窓口・残す物・形見分けの時期・費用の分担を、片付けの前に決める
  6. 自分でやる手順:探す → 仕分ける → 手放す → 掃除して空ける。ごみは自治体の決まりで出す
  7. 自分でやるか業者か:量・距離・時間で決める。荷物が少なく近くに住んでいて時間があるなら、業者に頼まなくてもよい
  8. 業者に頼むなら:一般廃棄物の許可(または許可業者への委託)と、複数社の見積の中身を確かめる
  9. 次は実家:持ち家なら、売るか残すか、相続登記と特例の期限を確かめる

遺品整理では、急いで捨てることと、兄弟に相談せずに決めることが、あとで困る原因になりえます。まず探して記録し、相続の方向を決め、兄弟で決め方を合わせる。この3つが済んでいれば、自分で片付けても業者に頼んでも、順番を間違えにくくなります。相続放棄ができるかどうかは弁護士・司法書士・家庭裁判所に、相続税がかかるかどうかは税理士に確かめてください。

ごみの出し方や一般廃棄物の許可業者は自治体によって違います。お住まいの市区町村で確認してください。

出典:民法915条(e-Gov法令API)/民法921条(e-Gov法令API)/民法940条(e-Gov法令API)/民法896条(e-Gov法令API)/廃棄物処理法7条(e-Gov法令API)/古物営業法3条(e-Gov法令API)/環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください」/国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」

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この記事を書いた人

親の介護と相続の手引き編集部です。親の介護と相続の手続きについて、法令や省庁・自治体の公式資料を原文で確かめ、確認日を添えてまとめています。

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