- 「パスワード教えて」とは、親に面と向かって言いにくい
- 死ぬときの話みたいになりそうで、切り出せない
- 親が何のサブスクに入っているのか、まったく知らない
- 毎月どこから何が引き落とされているのか分からない
- ネット銀行や証券の口座があるのかどうかも分からない
- 前に聞いたら「スマホの中は見られたくない」と言われた
- アプリを消してあれば、解約したことになると思っていた
- 亡くなった後に家族が解約したら、相続で問題になるのではと心配
- 物忘れが少し出てきていて、今さら聞いていいのか迷う
上記のような悩みに答えます。
親のスマホとパスワードの話は、介護が始まる前の、まだ何も起きていない時期にしかできない準備です。検索すると、亡くなった後にロックを解除する方法や業者の料金、パスワードを忘れたときの解除の手順が上位に並びますが、親が元気なうちに、親の気持ちを損ねずに「何を・どこまで・誰が持つか」を決める順番を、ここでは取り上げます。そこで、スマホが開かないと何が起きるか、残しておくものの一覧、サブスクの解約という基本を押さえたうえで、パスワードより先に契約の一覧を作るという順番、親が嫌がるときの最低限、亡くなった後に家族が解約や引き出しをする前に知っておく相続の決まりまで、国民生活センターの注意喚起と民法の条文で確かめながら整理しました。ロックの解除方法や業者の話は扱いません。
親のスマホとパスワードは、パスワードを聞き出すより先に、使っているサービスと毎月の引き落としを親と一緒に書き出す「契約の一覧」から始めてください。中身を見ずに済むので、切り出しやすくなります。パスワードの残し方と誰が預かるかは親が決め、使っていないサブスクは元気なうちに事業者の方法で解約しておきます。
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パスワードより先に、契約の一覧を作る

最初に取りかかるのは、パスワードを聞くことではありません。親が使っているサービスと、毎月の引き落としを書き出した「契約の一覧」を、親と一緒に作ることです。
順番を逆にしないのは、パスワードを先に聞くと、親には「スマホの中を見られる」話に聞こえるからです。一方で、どの会社と契約しているか、どの口座から何が落ちているかという情報は、スマホの中身そのものではありません。子が知りたいのも、実は中身ではなく「何があるか」です。何があるかさえ分かっていれば、もしものときに家族は連絡する相手と確かめる書類を見つけられます。
やることは次の順番です。
- 自分の備えの話として切り出し、「中身は見ない」と先に伝える
- 親と一緒に、使っているサービスの名前と、毎月の引き落としを書き出す
- ネット銀行・ネット証券の口座があるかどうかを、名前だけ書いてもらう
- 使っていないサブスクがあれば、その場で事業者の方法で解約する
- パスワードやロックの解除の残し方、誰が預かるかは、親に決めてもらう
- 一覧の置き場所を兄弟と共有し、見直す時期を決めておく
- 1自分の備えから話す中身は見ないと伝える
- 2契約の一覧を作るサービス名と引き落とし
- 3いらない契約を解約事業者の方法で
- 4残し方は親が決める誰が預かるかも
この順番の良いところは、どこで止まっても、それまでの分が無駄にならないことです。たとえば一覧を作るところまでで親が疲れてしまっても、どのカードから何が落ちているかが分かっていれば、もしものときに止める契約の見当がつきます。逆に、パスワードだけ聞けて一覧が無い状態だと、スマホは開けても、どのサービスに何の契約があるかは一つずつ探すことになります。
たとえば、親が一人暮らしで、子が遠方に住んでいる家を考えてみてください。帰省の日にパスワードの話を出すと、その日の空気が重くなり、次の帰省まで話が持ち越されることもあります。同じ日に「カードの明細を一緒に見て、使っていないものを止めよう」と持ちかければ、親にとっても毎月の出費が減る話になります。一覧はその作業の副産物として残ります。
迷ったときの軸は、「親のスマホを開けるようにする」ではなく「親が何と契約しているかを家族が知っている状態にする」です。前者は親の判断が要りますが、後者は親の生活を守る話として、今日からでも始められます。
スマホが開かないと、家族は何に困るか
親のスマホが開かないとき、家族が困るのは写真が見られないことより、契約の相手が分からないことです。ネット銀行や電子の決済、毎月のサブスクの手がかりが、スマホの中にしか無いことがあるからです。
国民生活センターは2024年11月20日に「デジタル終活」についての注意喚起を公表しています。その中で、故人のスマホやパソコンのパスワードが分からない場合、第三者がロックを解除することは困難だとしています。あわせて、ネット上の資産は本人以外が実態をつかみにくく相続手続きに時間がかかることがある、サブスクは解約の手続きをしない限り請求が続いてしまう、とも書いています。相談事例として紹介されているのは、スマホが開けずにネット銀行の契約先が分からない、故人が契約したサブスクの請求を止めたいがIDとパスワードが分からない、などです。
家族が困る場面を、もう少し具体的に並べます。
- ネット銀行やネット証券があるのかどうか、通帳が無いので見当がつかない
- 毎月の引き落としが続いているのに、どのサービスか分からず止められない
- 親が入院したときに、親の代わりに連絡すべき相手が分からない
- 連絡先がスマホの中だけにあり、親しい人に知らせられない
この中には、亡くなった後だけでなく、親が急に入院したときに起きることも含まれています。意識がはっきりしない、手が動かせないといった状態になると、本人がそばにいてもスマホを開けてもらえないことがあります。離れて暮らしていて急な連絡を受けたときに何を確かめるかは、別の記事で順番を整理しています。
では、亡くなった後に家族が頼めばロックを解除してもらえるのかというと、端末やサービスによって扱いが違い、確実ではありません。解除の方法や業者に頼む話はこの記事では扱いませんが、少なくとも「後でどうにかなる」とは言えないことは押さえておいてください。
だからこそ、スマホを開けなくても分かる情報、つまり契約の相手の名前と引き落としの口座を先に押さえておくと、手がかりが残ります。スマホの鍵の残し方は親が決めることとして、まず家族の手元に置けるのは、スマホの外にある「契約の地図」です。
出典:国民生活センター「今から考えておきたい『デジタル終活』」(2024年11月20日公表)
切り出すのは「自分の備え」の話から
親への切り出し方で避けたいのは、「もしものときのために」と親の死を前提にした話から入ることです。自分自身の備えの話から始め、中身は見ないと最初に伝えてください。
国民生活センターの事前対策の助言は、もともと「自分自身に何かあったときに備えて」という、本人が自分で備える趣旨で書かれています。子が自分の備えとして先にやってみせれば、親に「あなたは歳だから」と言わずに済みます。
切り出しの言い方を、言いにくい形と言いやすい形で比べてみます。
- スマホの中を見せて | 中身は見ないから、何と契約しているかだけ一緒に書こう
- 亡くなったら困るから | 入院したときに、代わりに止める連絡ができるようにしたい
言いやすい形に共通しているのは、話の目的が「親の秘密を知ること」ではなく「家族が代わりに連絡できること」になっている点です。特に「中身は見ない」と先に言っておくと、写真やメッセージを見られるのではという心配を外せます。
たとえば、子のほうが先に自分のサブスクを整理して、使っていなかった契約を見つけた話をすると、親も「うちもあるかもしれない」と乗ってきやすくなります。反対に、親がその日は乗り気でないなら、それ以上押さないでください。一度で全部を書き出そうとしないほうが、話は続きます。
話を出すタイミングは、親が何かの契約や手続きで困ったときが向いています。携帯電話の機種を替える、カードの更新が届く、といった場面なら、「ついでに」が自然に言えます。
親に書き出してもらう項目
一覧に書いてもらうのは、契約の相手が分かる情報だけです。IDやパスワード、暗証番号、残高は、この一覧には書かなくてかまいません。
項目を絞るのは、一覧が子の手元に置かれても親が安心できるようにするためです。書く中身を「名前」と「どこから落ちているか」にとどめておけば、IDやパスワードを一覧に載せずに済みます。親にとって「教えても困らない範囲」がはっきりしていると、書き出す手も止まりにくくなります。
| 項目 | 書く中身 | 書かなくてよいもの |
|---|---|---|
| 使っているサービス | 動画・音楽・新聞の電子版・買い物のサイトなどの名前 | IDとパスワード |
| 毎月の引き落とし | どの口座かどのカードから、何の名目で落ちているか | カード番号・暗証番号 |
| ネット銀行・ネット証券 | 口座があるかどうか、金融機関の名前 | 残高・取引の中身 |
| スマホ・インターネットの契約 | 携帯電話や回線の会社の名前、契約者の名義 | ログインの情報 |
| 連絡先 | もしものときに知らせてほしい人の名前と連絡方法 | アドレス帳の全部 |
| 写真・データ | 残してほしいか、消してほしいかの希望 | 写真やメッセージの中身 |
引き落としを書き出すときは、記憶に頼るより、カードの明細や通帳の記録を親と一緒に見るほうが漏れが少なくなります。国民生活センターも、使っていないサブスクの請求に気づけるように、クレジットカードやキャリア決済などの明細を毎月確認するよう助言しています。キャリア決済とは、携帯電話の料金とまとめて支払う方法で、カードの明細には出てこない契約が見つかることがあります。
写真・データの項目は、お金の話ではありませんが入れておく意味があります。親がスマホの写真を残してほしいのか、誰にも見られずに消してほしいのかは、本人にしか決められません。希望が書いてあれば、家族が迷わずに済みます。
たとえば、親の通帳には毎月の引き落としが数件しか載っていないのに、カードの明細を見ると知らない名目が並んでいた、ということがあります。この場合、通帳だけ見て「契約はこれだけ」と思い込むと、カードから落ちている分を見落とします。一覧は「口座から」と「カードから」と「携帯電話の料金から」の三つに分けて書くと、抜けに気づきやすくなります。
パスワードの残し方は親が決める
パスワードやスマホのロックの解除をどう残すか、誰が預かるかは、親が決めることです。子が決めてよいのは、決めたことを兄弟でどう共有するかまでです。
国民生活センターは事前の対策として、万が一の際に遺族がスマホやパソコンのロックを解除できるようにしておく、ネット上の資産やサブスクはサービス名・ID・パスワードを整理しておく、エンディングノートの活用も検討する、といった点を挙げています。どの方法で残すかの優劣までは示していないので、この記事でも残し方の良し悪しは決めません。親が使い慣れた方法、親が安心できる方法を選んでもらってください。
決めておきたいのは、方法そのものより次の3点です。
- 誰が:パスワードの残し方を知っている人を誰にするか(兄弟の一人か、全員か)
- どこに:契約の一覧と、残したものの置き場所を家族の誰が知っているか
- いつ見直すか:スマホを買い替えたとき、新しい契約をしたとき、帰省のついでなど
また、端末やサービスによっては、もしものときにアカウントにアクセスできる人をあらかじめ指名できるものがあります。親が使っているサービスにその仕組みがあるかどうかは、そのサービスの案内で確かめてください。仕組みがあっても、使うかどうか、誰を指名するかは親が決めることです。
たとえば、兄弟が三人いて、近くに住む長女が親の通院に付き添っている家なら、一覧の写しと置き場所は全員で共有し、パスワードの残し方は親が決めた人が知る、という分け方が考えられます。反対に、親が「パスワードは誰にも渡したくない」と言うなら、残し方を知る人は決めず、一覧と置き場所だけを家族で共有する形になります。どちらでも、一覧と置き場所を家族の誰か一人しか知らない状態は避けてください。その一人が連絡の取れない状況にあると、知らないのと同じになります。
見直しの時期を決めておかないと、一覧は書いた日から古くなっていきます。新しいサブスクに入った、スマホを替えたといった変化は親の側でしか起きないので、「何か契約したら一行足しておいて」と頼んでおくのが現実的です。
使っていないサブスクは、いま解約する
一覧を作る途中で使っていないサブスクが見つかったら、親が元気な今のうちに、事業者の定めた方法で解約してください。アプリを消しただけでは解約になりません。
国民生活センターは2026年7月9日の見守り新鮮情報(第545号)で、サブスクの契約はアプリのアイコンを削除したり、アプリをアンインストールしたりするだけでは解約にならず、事業者の定めた方法で解約する必要がある、と注意を呼びかけています。同じ号では、無料のお試しは期間が終わると自動的に定額のサービスに移ることが多いので注意が必要だ、とも書いています。
アプリを消して安心してしまうのは、画面から消えると契約も消えたように感じるからです。しかし契約は事業者との間にあり、画面の上にあるわけではありません。親がアプリを消しただけで止めたつもりになっていると、請求はカードや携帯電話の料金に乗ったまま続きます。
- 解約は、そのサービスの案内にある解約の手続きで行う(アプリを消すのではない)
- 無料のお試しで入ったものは、お試し期間の終わりがいつかを確かめる
- 解約したら、次の明細で請求が止まったかを親と一緒に確かめる
- 解約の手続きは、契約している親本人が行い、子は画面の操作を手伝う
最後の項目は、元気なうちに整理する理由の一つです。契約者が親である以上、解約の手続きも親が進めるのが基本です。亡くなった後や、判断が難しくなった後に家族が解約できるかどうかは、契約先の規約と手続きで決まります。親が自分で手続きできるいまなら、その心配をしなくて済みます。
たとえば、明細に見覚えのない名目があり、親も何の契約か思い出せないときは、名目の名前で事業者を確かめ、親と一緒に問い合わせます。それでも解約の仕方が分からない、請求が止まらないといったときは、お住まいの地域の消費生活センターに相談できます。消費生活センターの名称や受付時間は自治体によって違います。※お住まいの市区町村で確認してください。
通販の定期購入(健康食品や化粧品が毎月届くもの)や、訪問販売の契約の解除は、この記事では扱いません。別の記事で順番を整理しています。
出典:国民生活センター 見守り新鮮情報 第545号(2026年7月9日公表)
親が嫌がるとき、物忘れが始まっているとき
親がスマホやパスワードの話そのものを嫌がるなら、パスワードは聞かないという選択もあります。ただしその場合も、契約の一覧と、もしものときの連絡先だけは残しておくことが条件です。
パスワードを聞かないと決めるのは、親の気持ちを尊重する判断として十分にありえます。スマホの中には、家族にも見せたくないものがあって当然です。ただ、一覧も連絡先も無いままにすると、スマホが開かない場面で家族は何の手がかりも持たないことになります。聞かない選択を「何もしない」にしないための線が、一覧と連絡先です。
聞かない選択をするときの条件を、家族で言葉にしておきます。
- 契約の一覧(サービス名と引き落とし先)は作ってもらう
- もしものときに知らせてほしい人の連絡先は、スマホの外に残してもらう
- 一覧と連絡先の置き場所を、兄弟の誰もが知っている
- 親の考えが変わったら、残し方をいつでも決め直せると伝えておく
物忘れが少しずつ出てきている場合は、話の進め方が変わります。パスワードを思い出してもらおうとすると、思い出せないこと自体が本人を傷つけることがあります。この段階では、思い出してもらうより、カードの明細や通帳の記録を一緒に見ながら、目の前にある情報で一覧を作るほうが進めやすくなります。
たとえば、親が「そんな契約はしていない」と言うのに、明細には毎月の請求が載っている、という場面では、本人を問い詰めないでください。「この名前の会社に一緒に聞いてみよう」と、確かめる作業に切り替えます。同じような契約や買い物が繰り返される、お金の管理に不安が出てきた、というときは、スマホの整理とは別に、親のお金をどう守るかを考える段階に入っています。
嫌がる親にも、物忘れが始まった親にも共通するのは、一度で全部をそろえようとしないことです。今回はカードの明細だけ、次の帰省では連絡先だけ、と分けて進めれば、親の負担も子の負担も小さくなります。
亡くなった後、解約や引き出しの前に

親が亡くなった後に、家族が親の契約を解約したり、口座からお金を引き出したりする前に、相続放棄を考える可能性があるかどうかを先に確かめてください。可能性があるなら、手を付ける前に家庭裁判所や弁護士・司法書士に相談します。
民法896条では、相続人は相続開始の時から、亡くなった人の財産に属した一切の権利義務を引き継ぐとされています(亡くなった人の一身に専属したものは除かれます)。ネット銀行やネット証券の口座も、通帳が無いだけで、相続財産になりえます。
そのうえで気をつけたいのが、民法921条1号です。相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは、単純承認をしたものとみなす、とされています(保存行為と、602条に定める期間を超えない賃貸は除かれます)。単純承認とみなされると、あとから相続放棄をすることができなくなることがあります。
ここで迷うのが、スマホの契約を解約する、サブスクを止める、口座からお金を引き出す、といった行為が「処分」にあたるかどうかです。条文には個々の行為があたるかどうかは書かれておらず、個別の事情で判断されます。この記事では、どの行為があたる・あたらないとは決めません。
- 1一覧で契約を確かめる何があるかを知る
- 2放棄の可能性を考える借金などの心当たり
- 3専門家に相談する家庭裁判所・弁護士・司法書士
- 4解約や引き出しに進む相談のあとで
相続放棄には期限があります。民法915条1項では、相続の承認や放棄は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内にしなければならないとされています。この期間は、家庭裁判所に請求して延ばせる場合があります(915条1項ただし書)。期限の数え方や延ばし方は、別の記事で詳しく整理しています。
たとえば、親に借金の心当たりがまったく無く、相続人の間で放棄の話も出ていない場合は、契約の一覧を見ながら、どの契約を止めるかを考える場面になるでしょう。ただし、解約や引き出しがどの行為にあたるかは個別に判断されるので、迷うときは先に相談してください。反対に、親が事業をしていた、保証人になっていたかもしれない、といった心当たりがあるなら、毎月の引き落としが気になっても、先に相談を済ませてください。どちらの場合も、生前に作った契約の一覧があれば、何を止める必要があるかを相談の場でそのまま示せます。
ここからは弁護士・司法書士の領分です。相続放棄をするかどうか、遺産をどう分けるか、どの行為が処分にあたるかは、家庭裁判所の手続きの案内を確かめたうえで、弁護士・司法書士に相談してください。相談に行くときは、契約の一覧、通帳、カードの明細、届いている郵便物を持って行くと、相談を進めやすくなります。
実家の遺品を片づけるときも、同じ順番の考え方が当てはまります。
出典:民法896条(e-Gov法令API)/民法921条(e-Gov法令API)/民法915条(e-Gov法令API)
次に来るのは、認定とお金の話

スマホと契約の一覧ができたら、次に親のことで決める場面が来るのは、介護が始まったときの「認定とお金」です。
契約の一覧は、介護が始まった後にも役に立ちます。毎月の引き落としが分かっていれば、介護サービスの費用が加わったときに、親の口座で毎月いくら出ていくかの見通しを立てやすくなります。親の判断が難しくなる前に一覧を作っておくことは、そのままお金の段取りの土台になります。
この先で知っておくと慌てないのは、次の3つです。
- 要介護認定は誰が申請でき、結果はいつごろ出るのか
- 認定が出たとき、月にいくらまで介護保険で使えるのか
- 親の負担は何割になるのか
親の介護全体を、何から始めればよいかの順番で見たいときは、こちらから入ってください。
よくある質問
親のスマホのロック解除はどうやってする?
ロックの解除の方法は端末やサービスで違い、この記事では扱いません。国民生活センターは、故人のスマホやパソコンのパスワードが分からない場合、第三者がロックを解除することは困難だとしています。親が元気なうちなら、解除の仕方を残すかどうかを親に決めてもらい、あわせて契約の一覧を作っておくことが、家族にできる手当てです。
故人のパスワードがわからない場合はどうすればいいですか?
亡くなった後に家族が解除してもらえるかどうかは、端末やサービスで違い、確実ではありません。スマホが開かなくても、契約の一覧、届いている郵便物、通帳の入出金、カードの明細から、契約の相手をたどれることがあります。解約や引き出しに進む前に、相続放棄の可能性がないかを確かめてください。
エンディングノートに書いておけば十分ですか?
国民生活センターも事前の対策の一つとしてエンディングノートの活用を挙げています。ただ、書いたノートの置き場所を家族が知らなければ、無いのと同じになります。書く方法がノートでも別の方法でも、置き場所と見直す時期を家族で共有しておいてください。
兄弟の誰が預かればいいですか?
誰が預かるかは親が決めることです。家族の側でできるのは、預かる人が一人だけになって、その人しか知らない状態を避けることです。契約の一覧の写しは兄弟全員が持ち、パスワードの残し方を知る人は親の希望に合わせる、という分け方が考えられます。
親のネット銀行やネット証券を、家族が調べるにはどうすればいいですか?
親が元気なうちなら、親に聞いて、口座があるかどうかと金融機関の名前を一覧に書いてもらうのが確かです。亡くなった後は、郵便物、メールで届いていた書類の控え、通帳の入出金の記録などが手がかりになります。口座が見つかった後の手続きは金融機関ごとに違うので、それぞれの相続の案内で確かめてください。
使っていないアプリを消せば、サブスクは解約になりますか?
なりません。国民生活センターは、アプリを削除したりアンインストールしたりするだけでは解約にならず、事業者の定めた方法で解約する必要があるとしています。解約したら、次の明細で請求が止まったかを確かめてください。
順番のおさらい
- 先に契約の一覧:パスワードを聞く前に、サービス名と毎月の引き落としを親と一緒に書き出す
- 開かないと困ること:困るのは中身より契約の相手が分からないこと。解除は確実ではない
- 切り出し方:自分の備えの話から入り、中身は見ないと先に伝える
- 書き出す項目:名前と引き落とし先まで。IDやパスワード、残高は一覧に書かない
- 残し方と預け方:方法と預ける人は親が決める。置き場所と見直す時期を家族で共有する
- サブスク:アプリを消しても解約にならない。親が元気なうちに事業者の方法で解約する
- 嫌がるとき:パスワードを聞かないなら、一覧と連絡先だけは残す
- 亡くなった後:解約や引き出しの前に、相続放棄の可能性を確かめ、あるなら専門家へ(熟慮期間は知った時から3か月)
親のスマホの話は、パスワードという鍵の話から入ると、親にとっては秘密を差し出す話になります。何と契約しているかという地図の話から入れば、親の生活を守る話として一緒に進められます。地図さえ家族の手元にあれば、鍵をどうするかは、親のペースで決めてもらう余地が残ります。
消費生活センターの名称や受付時間は自治体によって違います。お住まいの市区町村で確認してください。

