- カメラを置こうと言ったら、親はきっと嫌がる
- 冷蔵庫や電球で見守れると聞いたが、何が違うのか分からない
- 今の冷蔵庫に後から付けられるのか、買い替えないとだめなのか
- 実家にはインターネットの回線を引いていない
- 親は機械が苦手で、スマホもほとんど触らない
- 夫婦二人暮らしだと、どちらが使ったのか分からないのでは
- 通知が来ても、遠くてすぐには駆けつけられない
- 黙って付けていいのか、どう説明すればいいのか迷っている
- 何かあってからでは遅い、という気持ちだけが先に立つ
上記のような悩みに答えます。
家電の見守りは、カメラを置かずに、ふだんの家電の使い方から親の暮らしの様子を知る方法です。検索すると、見守り機器を作る会社や家電メーカーの紹介ページが上に並び、仕組みや導入の手順は詳しく書かれています。ただ、自社の製品を勧める紹介が中心のため、「今の家電に後付けできるのか、買い替えが要るのか」「親の暮らし方によっては合わない型がある」「通知が来たあと誰が動くのか」といった、型を選ぶ前に家族が決めておくことには、あまり踏み込んでいないものが目立ちます。そこで、型の違いと選び方という基本を押さえたうえで、後付け・買い替え・契約に付ける型の線引き、暮らし方で合わない型、親への説明の仕方、通知のあとの段取りまで、介護保険法・民生委員法の条文と厚生労働省の資料で確かめながら整理しました。商品名や料金の比較はしません。
家電の見守りは、冷蔵庫の開け閉めや電球の点灯、ポットの給湯、電気やガスの使い方から「いつもどおり暮らしているか」を家族に知らせる仕組みです。倒れた瞬間が分かるものではありません。選ぶときは、親が毎日必ず使う家電はどれか、今の家電に後付けできるのか買い替えが要るのか、実家の通信はどうなっているかを順に確かめ、最後に「通知が来たら誰が動くか」を決めてから入れてください。
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見守りの方法全体(気づく・知らせる・駆けつける・人が会う)を比べたいときは、親記事にまとめています。
家電の見守りは「いつもどおり」を知らせる仕組み
家電の見守りで家族に届くのは、「親がいつもの家電を、いつもどおり使ったかどうか」です。倒れた、具合が悪くなった、という出来事そのものが届くわけではありません。
仕組みはどの型もほぼ同じです。冷蔵庫の扉が開いた、電球が点いた、ポットでお湯を注いだ、電気やガスが使われた、という記録が取られ、それが家族のスマホやメールに届きます。逆に、いつもなら使うはずの家電が一定の時間使われていないと、「使われていない」という知らせが届く設定ができるものもあります。カメラのように姿や声を写すわけではないので、親の側から見ると「見られている」感じが薄いのが、家電型が選ばれる理由です。
家電型で分かること・分からないことを並べると、次のようになります。
| 分かること | 分からないこと |
|---|---|
| 今日も冷蔵庫を開けた、電気をつけた | 家の中で転んだかどうか |
| いつもの時間帯に家電が使われていない | 具合が悪くて動けないのか、出かけているのか |
| 生活のリズムが前と変わってきた | 何を食べたか、薬を飲んだか |
| 朝起きて家電を使い始めた時刻の変化 | 本人の気分や体調の中身 |
ここを取り違えると、「家電の見守りを入れたから安心」と思っていたのに、知らせが来たときに何が起きているのか分からず、かえって不安が大きくなります。家電型が縮めてくれるのは、「何かあったかもしれない」に家族が気づくまでの時間です。何が起きたかを確かめるのは、電話や近所の人、地域の窓口といった、人の手になります。
たとえば、一人暮らしの親が朝になっても冷蔵庫を一度も開けていない、という知らせが来たとします。これだけでは、寝坊なのか、出かけたのか、倒れているのかは分かりません。けれど、知らせが無ければ次に電話するまで気づかなかったはずの「いつもと違う」に、その朝のうちに気づけます。電話をかけて出なければ、近所の人や地域の窓口に様子を見てもらう、という次の手に進めます。
家電の見守りは、「起きたことを知る道具」ではなく「いつもと違うことに早く気づく道具」として選んでください。そう考えると、型を選ぶときに見るべきなのは機能の多さではなく、親が毎日欠かさず使う家電に付いているかどうか、という一点になります。
家電の見守りの型と、何で分かるか

家電の見守りには、電球・ポット・冷蔵庫・電気やガスの使い方を見る型があり、冷蔵庫は「扉に後付けするセンサー」と「冷蔵庫本体の見守り機能」に分かれます。違いは、何の使い方を見ているかと、設置に何が要るかです。
型が分かれているのは、親が毎日使う家電が家ごとに違うからです。お茶を欠かさない親もいれば、冷蔵庫を開けない日がない親もいます。電気やガスの使い方を見る型は、特定の家電ではなく家全体の使い方を見るので、どの家電をよく使うかに左右されにくい反面、何をしていたかまでは分かりません。
| 型 | 何で分かるか | 親の操作 | 設置・申し込み |
|---|---|---|---|
| 電球型 | 電球が点いた・消えた | 照明をつけるだけ | 通信機能つきの電球に付け替える |
| ポット型 | お湯を注いだ・電源を入れた | お湯を使うだけ | 見守り機能つきのポットに替える |
| 冷蔵庫の後付けセンサー型 | 冷蔵庫の扉が開いた | 冷蔵庫を開けるだけ | 今の冷蔵庫の扉にセンサーを付ける |
| 冷蔵庫本体の見守り機能 | 冷蔵庫の扉が開いた | 冷蔵庫を開けるだけ | 対応機種の冷蔵庫が要る |
| 電気の使用量型 | 家全体の電気の使い方 | 何もしない | 電力会社の契約に付ける |
| ガスの使用量型 | 家全体のガスの使い方 | 何もしない | ガス会社の契約に付ける |
どの型も、親に新しい操作を覚えてもらう必要はありません。照明をつける、お湯を使う、冷蔵庫を開けるという、ふだんの動きがそのまま記録になります。機械が苦手な親にとっては、ここが家電型のいちばんの利点で、スマホの操作やボタンを押す習慣を求めずに済みます。
たとえば、朝起きるとまずお茶を入れる習慣がある親なら、ポット型がその習慣にそのまま重なります。反対に、お茶はペットボトルで済ませる親なら、ポット型を置いても使われず、毎日「使われていない」という知らせが届いてしまいます。電気やガスの使用量型は、どの家電を使うかに関係なく家全体の使い方を見ますが、電力会社やガス会社が見守りの扱いをしているかどうかは契約先ごとに違うので、まず今の契約先に聞くところから始まります。
型を比べるときは、表の左から順に「親の毎日の習慣に、この家電が入っているか」を確かめてください。習慣に入っていない家電に見守りを付けても、知らせが来るたびに家族が慌てるだけになります。
後付けか、買い替えか、契約に付けるか
家電型は、導入のしかたで3つに分かれます。今の家電に足す「後付け」、見守り機能のある家電に替える「買い替え」、電気やガスの「契約に付ける」型です。どれに当たるかで、準備も、親に頼むことも変わります。
ここを先に分けておくのは、同じ「冷蔵庫の見守り」でも、扉にセンサーを付けるだけで済むものと、冷蔵庫そのものを対応機種に替えなければ使えないものがあるからです。冷蔵庫の買い替えは、親にとって「まだ使えるのに」という気持ちが出やすく、見守りの話より先に家電の話でもめることがあります。電球やポットも、付け替え・置き換えではありますが、冷蔵庫ほど大きな話にはなりません。
- 冷蔵庫の扉に後付けするセンサー
- 電球を通信機能つきに付け替える
- ポットを見守り機能つきに置き換える
- 見守り機能のある冷蔵庫に買い替える
- 電力会社の契約に見守りを付ける
- ガス会社の契約に見守りを付ける
もう一つ、型を決める前に確かめておきたいのが実家の通信です。見守りの家電には、機器そのものに通信の仕組みが入っていて実家の回線が要らないものと、実家のインターネット回線(Wi-Fi)につないで使うものがあります。どちらなのかは型ではなく機器ごとに違うので、商品の仕様に「回線が要るか」が書いてあるかを確かめてください。電気やガスの契約に付ける型は、実家の回線ではなく、契約先の仕組みで記録が届くかどうかを契約先に確かめます。
たとえば、実家にインターネット回線を引いておらず、親が冷蔵庫を毎日開ける家を考えます。この場合、冷蔵庫の後付けセンサーが合いそうに見えても、それが実家のWi-Fiにつなぐ機器なら、回線を引くところから話が始まります。回線を引く手間をかけるか、回線が要らない機器を選ぶか、電力会社やガス会社の契約に付ける型を検討するか、の3つを比べることになります。逆に、実家にWi-Fiがあって、子が帰省のときに設定できるなら、後付けの選択肢は広がります。
迷ったら、「今の家電のまま」「回線を新しく引かない」で使えるものから先に探すのが、親の負担がもっとも小さい順番です。家電や回線を替える話は、見守りに慣れてからでも遅くありません。
親の暮らし方で合わない型がある

家電型は、親の暮らし方に合わないと、知らせが来すぎる、または来るべき知らせが来ない、のどちらかになります。型を選ぶ前に、親の一日の動きと家族の構成を思い浮かべてください。
家電型は「いつもどおり」を基準にするので、いつもの動きがはっきりしない暮らしや、記録の主が誰か分からない暮らしでは、知らせの意味が薄れます。誤報が続くと、家族は知らせを見なくなり、本当に大事な知らせも見落とします。合わない型を避けることは、見守りを長く続けるための条件です。
- 冷蔵庫をあまり開けない親:作り置きをしない・外で食べることが多いなら、冷蔵庫の型では「使われていない」が続きやすい。照明やお湯、電気の使用量のほうが習慣に重なる
- 夫婦二人暮らし:どの型も「家の誰かが使った」までしか分からない。片方が倒れても、もう片方が家電を使えば知らせは来ない。二人暮らしで家電型を入れるなら、それを承知のうえで、生活リズムの大きな変化に気づくためと割り切る
- 家を空けることが多い親:通院やデイサービス、泊まりがけの外出がある日は、どの型でも「使われていない」になる。予定を家族が知っていないと、そのたびに慌てることになる
- 実家に回線がない:実家のWi-Fiにつなぐ機器は使えない。回線が要らない機器か、契約に付ける型から探す
- 物忘れが増えてきた親:家電を使ってはいても、火の消し忘れや食事を抜くことまでは分からない。家電型だけで足りるかを、早めに見直す
たとえば、近くに住む子が定期的に顔を出していて、親は夫婦二人で暮らしている、という家では、家電型でできることは「二人の生活のリズムが崩れていないか」を見ることに限られます。どちらか一人の急な変化には気づきにくいので、家電型を入れるより、電話の回数を決めるほうが合っている場合もあります。反対に、一人暮らしで毎朝お茶を入れ、夜は照明をつけて過ごす親なら、ポット型や電球型が暮らしにそのまま重なります。
暮らし方が分からないときは、次の帰省で、冷蔵庫・照明・お湯のどれを朝晩使っているかを見ておいてください。食事の様子や外出の減り方が気になるなら、それぞれの記事も参考になります。
親が食事を作らない・痩せてきたとき/親が外出しなくなったら先に地域包括支援センターへ
費用は何に払うかで見る
家電の見守りの費用は、機器の代金、通信の費用、サービスや契約の料金に分かれます。型によって、どこにお金がかかるかが違います。
費用を「月いくら」の一つの数字で比べようとすると、型の違いが見えなくなります。たとえば、機器の代金のほかに通信の費用が別にかかるのか、通信が含まれているのか、家電の買い替えが要るのか、電気やガスの契約に付けるのかで、お金のかかり方が変わるため、同じ物差しでは並びません。金額は商品や契約先ごとに違い、改定もあるので、ここでは何に払うかの見方だけを示します。
| 払うもの | 主にかかる型 | 確かめること |
|---|---|---|
| 機器の代金 | 電球・ポット・冷蔵庫の後付けセンサー | 買い切りか、貸し出しか |
| 家電の買い替え | 冷蔵庫本体の見守り機能 | 今の冷蔵庫を替える時期と重ねられるか |
| 通信の費用 | 機器による | 機器の料金に含まれるか、実家の回線が要るか |
| サービス・契約の料金 | 見守りの通知・電気やガスの契約 | やめるときの手続きと、解約の条件 |
比べるときは、表のすべての行を足した「続けたときの合計」で見ることと、「やめるときに何が残るか」を確かめることの2つが大事です。見守りは、親の暮らしが変われば別の型に替えることがあります。買い切りの機器なら手元に残り、契約に付けた型なら解約の手続きが要ります。
たとえば、冷蔵庫が古くなってそろそろ替えたいと親自身が言っている家なら、見守り機能のある冷蔵庫に替えることは、見守りのためだけの出費にはなりません。逆に、冷蔵庫がまだ新しいなら、買い替えが要らない後付けのセンサーも候補になります。費用の大小だけでなく、親の家電の替え時と重なるかどうかで判断が変わります。
自治体によっては、見守り機器の貸し出しや費用の一部の助成をしている場合があります。これは後の「通知が来たら誰が動くか」の項で触れる窓口で聞けます。
黙って付けず、何が届くかを話す
家電の見守りは、親に黙って付けずに、何が家族に届くのかを先に話してから入れてください。カメラより見られている感じは薄くても、親の暮らしの記録が家族に届くことに変わりはありません。
黙って付けると、後で気づいたときに「こっそり見張られていた」という受け止め方になり、見守りそのものを外したくなる気持ちにつながります。電球やポットを替えたことは、親が気づかないまま過ぎることもあるでしょう。それでも、自分の暮らしが記録されていると後から知るのは、親にとって気持ちのいいことではありません。先に話しておけば、たとえば旅行で家を空けるときに親の側から知らせてくれる、という協力も得やすくなります。
話すときは、次のことを短く伝えると、親が身構えにくくなります。
- 何が届くか:「冷蔵庫を開けた」「電気がついた」だけで、姿や声は届かない
- 何のためか:「電話に出なかったときに、こっちが慌てないため」と、子の側の都合として言う
- 親がすることは無いこと:いつもどおり家電を使えばよく、ボタンも操作も要らない
- 家を空けるときのお願い:泊まりがけで出かけるときは、ひとこと知らせてほしい
- やめたくなったら言ってよいこと:合わなければ外せる
伝え方で気をつけたいのは、「心配だから」「何かあったら困るから」と、親の衰えを理由にしないことです。親にとっては、衰えを指摘されたように聞こえます。「こっちが安心したい」「電話に出ないと仕事が手につかない」と、子の都合として話すほうが受け入れられやすくなります。
たとえば、親が「そんなもの要らない」と言った場合は、その場で押し切らず、まずポットや電球のように「替えたことが暮らしに響かない」型を提案してみてください。それでも嫌がるなら、無理に入れるより、電話の時間を決めるほうが親子の関係を損ねません。見守りは、親が受け入れてはじめて続きます。説明の場面では、反対されても次の手が残るように、「入れない場合の連絡の決め方」も一緒に用意しておくと話がこじれにくくなります。
通知が来たら誰が動くかを先に決める
家電の見守りを入れる前に、「使われていない」という知らせが来たとき、誰が、どの順番で動くかを決めておいてください。知らせだけ届いても、動く人が決まっていなければ、遠くの子が一人で抱え込むことになります。
家電型の知らせは、何が起きたかを教えてくれません。だから、知らせが来たあとは人が確かめに行く必要があります。遠くに住む子がすぐに駆けつけられないなら、近くで確かめてくれる人と、家に入るための鍵をどうするかを先に決めておくことが、見守りの仕組みの残り半分になります。
- 1親に電話する出れば様子を聞いて終わり
- 2家族で連絡を回す誰が次に動くかを決めておく
- 3近所の人・地域の窓口に頼む様子を見てもらえるか先に相談
- 4鍵を開けてもらう合鍵の置き場所を決めておく
近くで相談できる先として思い浮かべてほしいのが、近所の人のほか、民生委員と地域包括支援センターです。民生委員法14条1項では、民生委員の職務として、住民の生活状態を必要に応じて適切に把握しておくこと、生活に関する相談に応じ助言その他の援助を行うことなどが定められています。担当の民生委員は地区ごとに決まっていますが、担当地区や連絡先は自治体によって違います。地域包括支援センターは介護保険法115条の46に根拠がある施設で、介護保険法115条の45第2項1号の総合相談支援事業として、心身の状況や暮らしの実態の把握、関連する施策の情報提供、関係機関との連絡調整といった総合的な支援を行っています。
※民生委員の担当と、地域包括支援センターの名称・担当区域は自治体によって違います。お住まいの市区町村で確認してください。
出典:民生委員法14条(e-Gov法令API)/介護保険法115条の46(e-Gov法令API)/介護保険法115条の45(e-Gov法令API)
自治体の見守りについても、ここで聞けます。市区町村が独自に見守り機器を貸し出したり、費用の一部を助成したりしている場合があります。ただし、実施しているかどうか、対象になる人、自己負担は市区町村ごとに違います。なお、国の地域支援事業実施要綱では、緊急通報体制等整備事業は地域支援事業として実施できないものとされており、緊急通報の仕組みは介護保険の地域支援事業ではありません。介護保険の地域支援事業のうち、見守りに関わる生活支援は国の要綱で例示されていますが、対象は主に要支援者などで、元気な親には当てはまらない場合があります。聞く先は、市区町村の高齢福祉の担当課か地域包括支援センターです。
※お住まいの市区町村で確認してください。
たとえば、親から車で行くのに時間がかかる所に住む子なら、知らせが来た朝にまず電話し、出なければ近くに住む親戚か近所の人に様子を見に行ってもらう、という順番を決めておきます。頼める人がいなければ、地域包括支援センターに「こういう見守りを入れようとしている。知らせが来て連絡がつかないとき、どこに相談すればいいか」と先に聞いておきます。合鍵をどこに置くか、誰が持つかも、このとき一緒に決めてください。
ここまで決めてから機器を入れると、知らせが来たときに家族の誰が何をするかが迷わずに済みます。機器を入れる前に、この「動く人」と「鍵」を決めておくことが、見守りの準備の要になります。機器を選ぶ前に、ここを家族で話しておいてください。
型を決めたら機器を選ぶ
ここまでで、親が毎日使う家電、後付けか買い替えか契約か、実家の通信、通知のあとの段取りが決まっていれば、機器は絞り込めます。あとは、条件に合う機器を並べて比べる段階です。
型を決めずに機器から探し始めると、ランキングや「おすすめ」に引っ張られて、親の暮らしに合わない型を選びやすくなります。先に条件を決めておけば、機器の比較は「この家で使えるか」を確かめる作業になります。
機器を比べるときに見るところは次のとおりです。
- 親が毎日使う家電に付く型か(冷蔵庫・照明・お湯・電気やガス)
- 今の家電のまま使えるか、買い替えが要るか
- 実家の回線が要るか、機器に通信が入っているか
- 知らせがどこに、どんな形で届くか(家族の誰のスマホに届くか)
- 費用は何に払うか(機器・通信・サービスの料金)と、やめるときの手続き
たとえば、一人暮らしで毎朝お茶を入れる親、実家に回線なし、近所に頼める人がいる、という条件なら、ポット型か電球型のうち、回線が要らない機器があるかを探す、と決まります。冷蔵庫が古くて替え時の家なら、見守り機能のある冷蔵庫も候補に入ります。条件が決まっていれば、並べた機器の中から外すものがはっきりするので、比べる手間も減ります。
商品の仕様や料金は改定されることがあるので、申し込む前に、販売元の最新の説明で「回線の要否」「通知の届き方」「解約の条件」を確かめてください。
※この枠にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。
電気やガスの契約に付けられる見守りで足りるかは、契約先に聞いて確かめられます。今の冷蔵庫や照明に後付けしたいなら、電球型や冷蔵庫ドアのセンサー型を、通信が機器に入っているかで並べて比べてください。通販なら型ごとに一覧で見比べられるので、取り付けに親の手が要らないかを確かめてから選んでください。
家電の見守りでは足りなくなる合図
家電の見守りは、親が自分で暮らせている段階に合った道具です。次のような合図が出てきたら、家電型だけで続けず、ほかの見守りや人の手を足すことを考えてください。
家電型が知らせるのは「使ったかどうか」なので、使ってはいても暮らしがうまく回っていない、という変化は届きません。物忘れが増えて同じ物を何度も買う、火を消し忘れる、食事を抜く、といったことは、家電の記録には表れにくいのです。家電型で安心しきると、こうした変化に気づくのが遅れます。
- 知らせが来て電話しても、話がかみ合わない日が出てきた
- 家電は使っているのに、冷蔵庫の中に同じ物がたまっている
- 「使われていない」の知らせが、前より増えてきた
- 転んだ、転びかけたと聞いた
- 親が自分から「一人でいるのが不安」と言い出した
こうした合図が出てきたら、人が会う見守りや、家の中の動きを見る型との組み合わせを考える時期です。どの型がどう違うかは親記事で比べています。物忘れが気になってきた場合は、受診や相談の段取りを先に知っておくと慌てません。
見守りサービスの選び方|親に合う型を順番に決める/物忘れが増えた親への接し方と相談先
反対に、家電の見守りを入れなくてよい場合もあります。近くに住む家族が毎日のように顔を出している、親と決まった時間に電話で話す習慣が続いている、といった家では、家電型の知らせより人のやり取りのほうが変化に気づきやすいことがあります。その場合は、見守りの道具より、電話の時間や訪ねる曜日を家族で決めておくほうが合うことがあります。
たとえば、家電型を入れてしばらくは落ち着いていたのに、ある時期から知らせのたびに電話しても要領を得ない、という変化が出てきたなら、家電型を外すのではなく、地域包括支援センターに相談して、人が訪ねる仕組みを足せるか聞いてみてください。
次に来るのは認定の話
家電の見守りでは足りない合図が出てきたら、次は介護保険の要介護認定の話になります。
認定の話は「まだ先」と感じるかもしれませんが、見守りで気づいた変化をきっかけに、急に必要になることがあります。先に仕組みを知っておくと、地域包括支援センターで何を聞けばいいかがはっきりします。この段階で知っておくと慌てないのは、次のようなことです。
- 要介護認定は誰が申請でき、結果はいつごろ出るのか
- 認定が出たとき、どんなサービスがいくらで使えるのか
- 自治体の見守りや生活支援のうち、認定を受けると使えるものがあるか
介護保険法27条11項では、認定の申請に対する処分は、申請のあった日から30日以内にしなければならないとされています。ただし、調査に日時を要するなど特別な理由がある場合は、延期の通知をしたうえで延ばせる定めもあります。実際にかかる日数は自治体によって違います。
国の要綱で例示されている見守りに関わる生活支援は、対象が主に要支援者などとされています。実施の有無や内容は市町村が決めるので、認定を受けると使えるものがあるかは、センターで聞いてみてください。申請したからといって、サービスを使い始めることが決まるわけではありません。
認定とお金の流れは、次の記事で順番にまとめています。
認定・お金|要介護認定が出て、月にいくら出ていくか/親の介護、何から始める?
よくある質問
高齢者の見守りに使える家電には何がありますか?
電球・ポット・冷蔵庫と、電気やガスの使い方を見る型があります。冷蔵庫は、今の冷蔵庫の扉に後付けするセンサーと、対応機種の冷蔵庫本体の機能に分かれます。どれも、親がいつもどおり家電を使ったかどうかを家族に知らせるもので、親が新しい操作を覚える必要はありません。
一人暮らしの親の見守りは、どうすればいいですか?
まず、親が毎日欠かさず使う家電はどれか、電話に出なかったときに誰が様子を見に行けるかを確かめてください。そのうえで、家電型・センサー型・人が訪ねる見守りなどから、親の暮らしに合う型を選びます。型の全体は、見守りサービスの選び方の記事で比べています。
今の冷蔵庫に後から付けられますか?
冷蔵庫の扉に後付けするセンサー型なら、今の冷蔵庫のまま使えます。冷蔵庫本体の見守り機能は対応機種の冷蔵庫が要るので、買い替えになります。冷蔵庫の替え時かどうかで、どちらが合うかが変わります。
実家にインターネット回線がなくても使えますか?
機器そのものに通信が入っていて実家の回線が要らないものと、実家のWi-Fiにつなぐものがあり、機器ごとに違います。回線を引かずに済ませたいなら、仕様に「回線が要るか」が書いてあるかを確かめるか、電気やガスの契約に付ける型を契約先に聞いてください。
自治体で見守りの機器を借りられますか?
市区町村が独自に見守り機器を貸し出したり、費用の一部を助成したりしている場合があります。実施しているかどうか、対象、自己負担は市区町村ごとに違うので、親の住む市区町村の高齢福祉の担当課か地域包括支援センターに聞いてください。
家電の見守りで、倒れたことまで分かりますか?
分かりません。家電型で分かるのは、家電を使ったか使っていないかです。いつもの家電が使われていないことには気づけますが、その理由は電話や近所の人、地域の窓口に確かめてもらう必要があります。
順番のおさらい
- 仕組み:家電の見守りは「いつもどおり使ったか」を知らせるもので、倒れた瞬間は分からない
- 型:電球・ポット・冷蔵庫の後付け・冷蔵庫本体・電気やガスの使い方。親の毎日の習慣に入っている家電を選ぶ
- 導入のしかた:後付けか、買い替えか、契約に付けるか。実家の回線が要るかも機器ごとに確かめる
- 暮らし方:冷蔵庫をあまり開けない・夫婦二人・家を空けることが多い・回線なしでは合わない型がある
- 費用:機器・買い替え・通信・契約のどこに払うかで見て、やめるときの手続きも確かめる
- 親への説明:黙って付けず、何が届くかと、子の側の都合として入れる理由を話す
- 通知のあと:電話→家族→近所や地域の窓口→鍵の順を、機器より先に決める
- 足りなくなる合図:話がかみ合わない・同じ物がたまる・転んだと聞いたら、人の手を足す
家電の見守りで家族が手に入れるのは、何が起きたかの答えではなく、「いつもと違う」に早く気づくきっかけです。だからこそ、どの家電を選ぶかと同じくらい、知らせが来たときに誰が電話し、誰が様子を見に行き、鍵をどうするかが大事になります。親の毎日の習慣を一つ見つけ、動く人を決めておけば、機器は後から替えても困りません。
自治体の見守り機器の貸し出しや助成、民生委員の担当、地域包括支援センターの名称は自治体によって違います。お住まいの市区町村で確認してください。

