親が病院に行かない・薬を飲まないときの対応|声のかけ方・相談先・頼む順番

病院の廊下
  • 病院に行こうと言うと、急に機嫌が悪くなって話が終わる
  • 「どこも悪くない」の一点張りで、取り合ってもらえない
  • 実家に行ったら、薬の袋がかなり残っていた
  • 前は一人で通院していたのに、いつの間にか行かなくなっている
  • 本人を連れずに、家族だけで医師に話を聞いてもらえるのか知りたい
  • 救急車を呼ぶほどではない気がするが、このままでいいのかも分からない
  • 嘘をついて連れて行くのは、さすがに気が引ける
  • 兄弟は「本人の自由だから」と言って動かない
  • 遠くに住んでいて、通院に付き添うこともできない

上記のような悩みに答えます。

親が病院に行かない、薬を飲まないという状態は、介護が始まる前の、家族の誰もまだ役割を決めていない段階で起きます。検索すると、受診を嫌がる心理の解説や、言ってはいけない言葉、上手な誘い方が見つかります。家族が知りたいのはその先、言っても動かなかったときに誰が代わりに関われるのか、通院そのものが難しい親に何があるのか、ではないでしょうか。ここでは、声のかけ方と相談先という基本を押さえたうえで、家族の説得から第三者へ切り替える順番、急ぐかどうかを家族だけで決めないための相談先、通えない親のもとへ来てもらう介護保険の仕組みと主治医の意見の関係まで、介護保険法などの条文と国の資料で確かめながら整理しました。病気の見立てや薬の飲み方は医師と薬剤師が判断することなので、扱いません。

先に答え

親が病院に行かない・薬を飲まないときは、家族だけで説得を重ねるより、かかりつけ医と親の住む地域の地域包括支援センターに家族から相談し、第三者から話してもらう順番に切り替えてください。急ぐかどうかは家族で決めず、かかりつけ医や救急安心センター(♯7119がある地域)に聞きます。通院そのものがきついなら、要介護認定を受けて訪問の仕組みを使う道もあります。

2026年10月時点の制度で確かめています

目次

説得の前に、かかりつけ医と地域包括へ

親が病院に行かないと分かったら、最初にするのは親への説得ではなく、家族から第三者への相談です。相談先は、親にかかりつけ医がいればその医療機関、そして親の住む地域を担当する地域包括支援センターの2つです。

この順番にするのは、子から言葉を重ねても、親が受診を断る理由を増やしてしまう場面があるからです。同じ内容でも、医師や地域の専門職から話が出ると、親にとって「子に言われた」話ではなくなることがあります。家族がやるべきなのは、その第三者が話を出せるだけの材料を先に渡しておくことです。

相談先 家族から伝えること ここで決まること
かかりつけ医(いれば) 通院が途絶えている・薬が残っている事実 家族からの連絡をどう扱うか、次の受診の機会
地域包括支援センター 親の暮らしの様子と、受診を断られた経緯 家族以外の誰が関われるか、使える仕組み
認定後のケアマネジャー 通院や薬の管理で困っていること 訪問の仕組みを含めた調整

地域包括支援センターは、介護保険法115条の46で、地域の住民の心身の健康の保持と生活の安定のために必要な援助を行う施設とされ、市町村が設置するか、市町村の委託を受けた法人が運営しています。行う事業には、暮らしの実情を把握して必要な情報や関係機関につなぐ総合相談支援も含まれます(115条の45第2項1号)。「親が病院に行かない」は病気の相談ではなく暮らしの相談なので、ここを最初の相談先にできます。

出典:介護保険法115条の46(e-Gov法令API)/介護保険法115条の45(e-Gov法令API)

たとえば、親に持病で通っていた医院があるなら、そこへの連絡が先になります。通院歴が分かっている医師なら、家族の話を聞いたうえで次の受診のきっかけを考えやすいからです。反対に、かかりつけ医がいるかどうかも分からないなら、センターへの相談を先にして、親の通院先を確かめるところから相談してみてください。どちらの順になっても、親に話すのは第三者の側の段取りがついてからです。

迷ったら、「親を動かす」より「親に話してくれる人を増やす」と考えてください。センターの名称と担当区域は自治体によって違います。※お住まいの市区町村で確認してください。

急ぐかどうかは家族だけで決めない

親の様子を見て「これは急いだほうがいいのか、待っていいのか」と迷ったら、その判断を家族だけで引き受けないでください。聞く先は、かかりつけ医か、救急安心センター事業(♯7119)です。

急ぐかどうかの見立ては医療の判断で、家族が症状から当てるものではありません。家族だけで決めようとすると、「大げさにして親を怒らせたくない」という気持ちと「何かあったら」という不安の間で、判断が先延ばしになることがあります。外に聞く先を決めておけば、迷った時点で電話するという動きに置き換えられます。

総務省消防庁の資料では、♯7119は、急な病気やけがで救急車を呼んだほうがいいのか、すぐに病院に行ったほうがいいのか迷ったときに、専門家から電話でアドバイスを受けられる相談窓口とされています。ただし全国どこでも使えるわけではなく、実施していない地域があり、受付時間も地域によって違います。

出典:総務省消防庁「救急安心センター事業(♯7119)の全国展開」

  • 親が通っている医療機関の名前と電話番号
  • 親の住所地で♯7119を実施しているか、受付時間はいつか
  • ♯7119が無い地域なら、夜間や休日の相談先として市区町村が案内している窓口
  • 救急医療情報キットのような、医療情報を家に置いておく取り組みがあるか

最後の救急医療情報キットは、国の資料では各地域で行われている取り組みとして紹介されています。配っているかどうか、対象や費用は地域で違います。

出典:厚生労働省「救急医療情報の活用に係る関係者間の事前協議の推進」

たとえば、離れて暮らす子が電話で「体調がよくない」と聞いたとき、自分の住む地域の窓口に電話しても、親の地域の事情は分かりません。上の項目は、子の住所ではなく親の住所地で調べておきます。なお、♯7119は迷ったときの相談先で、119番の代わりではありません。※お住まいの市区町村で確認してください。

病院に行かない・飲まない理由の見当

病院の廊下

親が病院に行かない理由は、本人に聞かないと分かりません。ただ、家族が見ている様子から「どの相談先に先に話すか」の見当をつけることはできます。理由によって、頼む相手が変わるからです。

受診を断る言葉が同じ「行かない」でも、その奥にある事情はさまざまです。待ち時間や移動がつらい、付き添ってくれる人がいない、費用が心配、通院の日や薬を飲むことを忘れてしまう、薬について気になることがある、病院そのものが嫌い。どれなのかで、話を「行かせ方」に持っていくべきか、「来てもらう」「手伝ってもらう」に持っていくべきかが分かれます。

見えている様子 考えられる事情(本人に聞かないと分からない) 最初に話す相手
通院の日に出かけた様子がない 移動や待ち時間がきつい・付き添いがいない 地域包括支援センター
薬の袋が残っている 飲み忘れ・飲みにくさ・薬について気になること 薬を出している医師か薬局の薬剤師
費用の話をすると黙る お金の心配 地域包括支援センター
予約の日を覚えていない 物忘れ 地域包括支援センター・かかりつけ医
「どこも悪くない」と言う 病院が嫌・弱ったと思われたくない かかりつけ医・センター

表の「考えられる事情」は、医療の見立てではありません。家族が理由を決めつけて本人に突きつけると、それ自体が新しい言い合いの種になります。家族の仕事は、見えた様子をそのまま相談先に伝えることです。特に薬が残っている場合、飲まなくてよいのか、飲み方を変えられるのかは医師と薬剤師が決めることなので、家族が量や回数を調整しないでください。

たとえば、一人で電車に乗って通院していた母親が行かなくなった場合と、もともと病院嫌いの父親がさらに行かなくなった場合では、話の向かう先が違います。前者なら通院の負担を減らす仕組みの相談が先に来て、後者なら誰から受診の話を出してもらうかが先に来ます。物忘れが気になるなら、記録の取り方と相談先をまとめた別の記事も参考にしてください。

親の物忘れがひどいと感じたら何から動くか

食事や入浴の様子が変わっているなら、それも一緒に伝えると話が具体的になります。

親が食事を作らない・痩せたとき/親がお風呂に入らないとき

親に言うほどこじれるときの話す順番

家族から話すなら、「病院に行って」という指示ではなく、本人が決める形の問いかけから入り、断られたらその日は引きます。それでも進まないときは、話す人を家族以外に変えます。

言い方が問題になるのは、受診の話が親にとって「自分が弱ったと認めること」のように聞こえる場合があるからです。正面から勧めると、断る側が引っ込みがつかなくなることもあります。子の側の言葉を工夫できる範囲には限りがあるので、言い方の工夫は「こじらせない」ためのものと考え、動かす役は第三者に回すほうが無理がありません。

受診の話がこじれる言い方、続けられる言い方
病院に行って、と指示する | 次の通院のとき一緒に行ってもいい?と聞く

  • 薬を飲んでいないと責める | 薬のことで困っていない?と聞く
  • その日のうちに決めさせる | 断られたら、その日は引く
  • 家族全員で一度に説得する | 話す人を一人に、または家族以外に
  • 本人の言い分を最後まで聞いてから、こちらの心配を一つだけ伝える
  • 「病院」より「いつもの先生に顔を見せる」「薬の相談」など具体的な用事で話す
  • 断られた言葉は、相談先に伝える材料として書き留める
  • 家族の誰が話すと受け入れやすいかを、兄弟の間で見直す

ここで避けたいのが、嘘をついて連れて行くことです。行き先をごまかして病院に着いたとき、本人には診察ではなく「だまされた」という体験が残り、次からは家族の誘いそのものを疑うようになりかねません。一度きりの受診のために、その後の通院や相談の道を細くしてしまうので、編集部は勧めません。

たとえば、娘が話すと反発するのに、孫やかかりつけ医から言われると素直に聞く、という親もいます。話す内容が同じでも、誰が言うかで受け止め方が変わるなら、言葉を磨くより話す人を替えるほうが進みやすいことがあります。

親のかかりつけ医に家族から伝える

かかりつけ医がいるなら、家族から医療機関に「本人の様子を伝えたい」と連絡してください。本人を連れずに伝えられるか、どこまで話を聞いてもらえるかは医療機関が判断することですが、家族が見ている事実は、医師にとって診察室では得にくい材料です。

診察室では、本人が「変わりありません」と答えて終わることがあります。通院が途絶えていることや、薬が残っていることは、家に行った家族にしか見えません。その事実を医師に届けておくと、次の受診のきっかけを医師の側から作れる可能性が出てきます。一方で、本人の病状をどこまで家族に話すかは、本人の同意や守秘の考え方に関わるので、医療機関が判断します。家族は「教えてもらう」より「伝える」ことを中心に考えると、話が進めやすくなります。

連絡の前に、次のことを短くメモにしておきます。

  • 最後に通院したと分かっている時期
  • 残っている薬の袋や、カレンダーに残った予約の跡など、家で見た事実
  • 受診を勧めたときに本人が言ったこと
  • 家族の誰が、どのくらいの頻度で親に会えるか

連絡するときは、受付で「家族から先生に伝えたいことがある。どうすればよいか」と聞くのが入り口になります。手紙の形で渡すよう案内されることも、次の受診のときに付き添うよう言われることもあり、受け方は医療機関によって違います。

たとえば、遠方に住んでいて付き添えない場合は、電話で伝えられるかを最初に確かめ、難しければ、近くに住む兄弟や親族のうち誰が付き添えるかを考えます。かかりつけ医がいない、または分からない場合は、無理に病院を探す前にセンターへ相談してください。

地域包括で相談し、認定の申請へ

センターに相談したら、親の暮らしの様子によっては、要介護認定の申請に進む話が出てきます。ここで知っておきたいのは、認定の申請では主治医の意見が要るという点です。

介護保険法27条3項では、申請があると、市町村は親の主治の医師に、心身の障害の原因になっている病気やけがの状況などについて意見を求めるとされています。主治の医師がいないときや意見を求めるのが難しいときは、市町村が指定する医師などの診断を受けるよう求める仕組みもあります。つまり、かかりつけ医がいないことが、そのまま申請できない理由になるわけではありません。

出典:介護保険法27条(e-Gov法令API)

受診を嫌がる親の、認定までの道すじ
  1. 1家族がセンターに相談親の住む地域の担当へ
  2. 2認定を申請進め方はセンターで相談
  3. 3主治医の意見と調査主治医がいなければ市町村が指定する医師
  4. 4結果の通知次の調整へ

同じ27条の10項では、正当な理由なく調査に応じないときや、指定された医師の診断の求めに従わないときは、申請を却下することができるとされています。ただ、ここでいう診断は認定の判断材料としてのもので、治療を受けさせる命令ではありません。家族が「認定の申請をすれば、親を病院に行かせられる」と考えるのは条文の読み方として違います。

たとえば、何年も病院にかかっていない親の場合、主治医がいないこと自体を心配するより、センターに「かかりつけ医がいない。申請するとどう進むか」と聞くほうが具体的です。本人が診断を嫌がりそうなら、その事情も先に伝えたうえで、進め方を相談してみてください。※お住まいの市区町村で確認してください。

通えない親には、来てもらう仕組みがある

湯のみを持つ手

行かない理由が「通院がきつい」なら、行かせ方を考えるより、来てもらう仕組みを考えるほうが筋が通ります。介護保険には、医師や薬剤師、看護師などが家を訪ねる仕組みがあります。ただし、どれも介護保険のサービスなので、要介護(要支援)認定を受けていることが前提です。

仕組み 条文・基準での位置づけ 押さえておくこと
居宅療養管理指導 医師・歯科医師・薬剤師などが行う療養上の管理と指導(介護保険法8条6項) 基準では通院が困難な利用者に対し、居宅を訪問して行うとされている
訪問看護 看護師などが居宅で行う療養上の世話や必要な診療の補助(同8条4項) 主治医が必要と認めた人に限られる
ケアマネジャーの調整 要介護の人のケアプランを作る どの仕組みを組み合わせるかを一緒に考える

居宅療養管理指導について、指定居宅サービス等の基準84条は、通院が困難な利用者に対して、その居宅を訪問して療養上の管理と指導を行うとしています。条文の対象は居宅要介護者で、要支援の場合に何が使えるかは市区町村やセンターに確かめてください。訪問看護は、条文で主治の医師が必要と認めたものに限るとされているので、主治医との関わりがあることが出発点になります。利用料や細かな要件は、ケアマネジャーや事業所に確認します。

出典:介護保険法8条(e-Gov法令API)

一方で、これらは「病院を嫌がる親に医療を受けさせる」ための仕組みではありません。家に来てもらうことも、本人が受け入れて初めて成り立ちます。病院の待合室が苦痛だった人が自宅なら話を聞く、ということはありえますが、本人が嫌がっているのに家族が押し切る道具として考えないでください。

薬を飲まない理由が飲み忘れや管理の難しさなら、まず薬を出している医師か薬局の薬剤師に相談します。どう管理すれば続けやすいかは、医師と薬剤師が判断することです。認定を受けていれば、薬の管理で困っていることをケアマネジャーに伝え、どの仕組みで手伝ってもらえるかを一緒に考えます。

たとえば、駅まで歩くのがおっくうになって通院をやめた母親なら、「病院に行こう」より「家に来てもらえる方法があるか聞いてみる」と話すほうが、本人の困りごとに沿っています。

親の「行かない」を尊重するなら

日の差す和室

家族で話し合った結果、本人の「行かない」をひとまず受け入れる、という選択もありえます。その選択をするなら、連絡がつく状態を保つこと、相談先を決めておくこと、動く合図を家族で決めておくこと、の3つを先にそろえてください。

本人が自分の体のことを自分で決めるのは当然のことで、受診しない選択を家族が受け入れるのは、放っておくこととは違います。違いを分けるのは、受け入れたあとに家族の側の準備があるかどうかです。準備の無いまま「本人の自由」で止めると、何か起きたときに、誰が何をするかが決まっていない状態になります。

  • 連絡:決まった曜日に電話する、出なかったら誰が次に連絡するかを決める
  • 相談先:かかりつけ医、センター、親の地域の♯7119の有無を家族で共有する
  • 合図:電話がつながらない日が続く、通院していた先から連絡がある、食事や入浴の様子が変わったと聞いた、など
  • 担当:合図に当たったとき、誰がセンターに電話するか

兄弟の一人が「本人の自由」と言い、もう一人が心配している、という家では、受診させるかどうかで意見をそろえようとすると平行線になります。「受け入れる代わりに、合図と担当を決めておく」と提案すれば、どちらの考えも生かせます。

たとえば、近くに住む兄が週に一度顔を出し、遠くに住む妹が電話の担当になる、と分けておけば、受け入れる選択をしても親の様子が家族の誰にも見えない時間は短くなります。合図に当たったら、そのときに改めてセンターやかかりつけ医に相談します。

親に危険が続くとき市町村に相談できること

拒否が続き、親の生命や身体に重大な危険が生じているおそれがあると感じるときは、市町村に相談できる窓口があります。ただし、どれも受診をさせる仕組みではなく、市町村が状況を確かめて判断します。

老人福祉法10条の4と11条では、65歳以上の人が、やむを得ない事由により介護保険のサービスなどを利用することや施設に入所することが著しく困難だと市町村が認めるとき、市町村が措置として介護サービスや施設への入所などを行う仕組みが定められています。「やむを得ない事由」の中身は条文に書かれておらず、当てはまるかどうかは市町村が判断します。

出典:老人福祉法10条の4(e-Gov法令API)/老人福祉法11条(e-Gov法令API)

高齢者虐待防止法6条では、養護者による虐待の防止と、虐待を受けた高齢者の保護のために、市町村が高齢者と養護者に相談・指導・助言を行うとされています。相談の窓口となる部局は市町村ごとに違います。

出典:高齢者虐待防止法(e-Gov法令API)

物忘れがあって受診を拒んでいる場合は、国の要綱で、認知症が疑われる人とその家族を複数の専門職が訪ねる「認知症初期集中支援チーム」の仕組みが置かれています。認知症が疑われる場合の仕組みなので、物忘れの心配が無い受診拒否には当てはまりません。名称や窓口も市町村で違うので、センターに聞いてください。

出典:厚生労働省「地域支援事業実施要綱」

たとえば、離れて暮らす親と何日も連絡がつかないといった急な場面の動き方は、別の記事にまとめています。※お住まいの市区町村で確認してください。

遠距離介護で何かあったとき

次に来るのは、認定とお金の話

センターに相談し、通院や薬の管理に手伝いが要ると分かったら、次は要介護認定と、介護にかかるお金の話になります。訪問の仕組みも、ケアマネジャーの調整も、認定の申請から始まるからです。

介護保険法27条11項では、申請に対する処分は申請のあった日から30日以内にしなければならないとされています。ただし、調査に日時がかかるなど特別な理由がある場合は、30日以内に見込みの期間と理由を通知して延ばすことができます。実際にかかる日数は自治体によって違います。

出典:介護保険法27条(e-Gov法令API)

認定の結果によって、使える仕組みと自己負担の考え方が変わります。申請しても、サービスを使い始めることが決まるわけではないので、まず流れを知っておくと、センターで何を聞けばいいかがはっきりします。

認定・お金|要介護認定が出て、月にいくら出ていくか

転んだことや段差でのつまずきがきっかけで受診を嫌がっている場合は、家の中の対策も含めて別の記事で扱っています。

親が段差でつまずく。受診を嫌がるときの相談先と促し方/親の介護、何から始める?

よくある質問

家族が病院に行きたがらない場合、どうすればいいですか?

家族だけで説得を続けるより、かかりつけ医と親の住む地域の地域包括支援センターに家族から相談し、第三者から話してもらう形に切り替えてください。急ぐかどうかで迷うときは、かかりつけ医か、親の地域で実施していれば♯7119に聞きます。

本人を連れずに、家族だけで医師に相談できますか?

家族からの連絡をどう受けるかは医療機関によって違います。受付で「家族から伝えたいことがある」と相談するのが入り口です。本人の病状をどこまで聞けるかは医療機関が判断するので、家族は見た事実を伝えることを中心に考えてください。

嘘をついて病院に連れて行ってもいいですか?

勧めません。その日の受診はできても、本人にはだまされた体験が残り、次から家族の誘いや相談そのものを警戒するようになりかねないからです。話す人を替える、来てもらう仕組みを探す、といった別の道を先に試してください。

遠方に住んでいて付き添えません。何から始めればいいですか?

親の住所地を担当する地域包括支援センターへの電話と、かかりつけ医への連絡は、離れていてもできます。あわせて、親の地域の♯7119の有無を調べ、近くの親族のうち誰が動けるかを家族で決めておくと、いざというときに慌てません。

薬を飲んだかどうか、どう確かめればいいですか?

帰省のときに残っている薬の袋を見る、電話で困っていないか聞く、といった家族にできる範囲で様子をつかみ、気づいたことは、薬を出している医師か薬局の薬剤師に伝えてください。飲み方を変えてよいかは医師と薬剤師が決めることなので、家族が量や回数を調整しないでください。

病院には、親が何歳になったら付き添うべきですか?

年齢で決まるものではありません。通院が途絶えた、予約を忘れる、説明を覚えていないといった変化が見えたら、付き添いや家族からの連絡を考えてみてください。付き添えないなら、センターで通院の負担を減らす方法を相談してください。

順番のおさらい

  1. 説得の前に:かかりつけ医と親の住む地域の地域包括支援センターに家族から相談する
  2. 急ぐかどうか:家族で決めず、かかりつけ医か♯7119(親の地域で実施していれば)に聞く
  3. 理由の見当:見えた様子をそのまま伝え、事情を決めつけない。薬のことは医師・薬剤師へ
  4. 話す順番:指示より問いかけ。断られたら引き、話す人を替える。嘘で連れて行かない
  5. かかりつけ医:家族から事実を伝える。どこまで聞けるかは医療機関の判断
  6. 認定の申請:主治医の意見が要り、主治医がいなければ市町村が指定する医師の診断の仕組みがある
  7. 来てもらう:居宅療養管理指導・訪問看護は要介護認定が前提。ケアマネジャーと組み合わせを考える
  8. 尊重するなら:連絡・相談先・動く合図・担当を家族で先に決める
  9. 危険が続くとき:市町村に相談できる。受診をさせる仕組みではない
  10. 次に来ること:認定とお金の流れを先に知っておく

親が病院に行かないとき、家族が抱えがちなのは「どう言えば行ってくれるか」という問いですが、手元で動かせるのは、誰に話してもらうか、どこに先に伝えておくか、という家族の側の段取りです。言葉で親を動かそうとするほど関係は硬くなり、第三者と制度に頼る順番を先に作っておくほど、親の「行かない」を受け止める余裕も生まれます。今日できるのは、親の地域のセンターとかかりつけ医の連絡先を調べ、家族の誰が電話するかを決めることです。

センターの名称と担当区域、初期集中支援の仕組みの名称と窓口、♯7119の実施の有無、救急医療情報キットの配布の有無は、自治体によって違います。お住まいの市区町村で確認してください。

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この記事を書いた人

親の介護と相続の手引き編集部です。親の介護と相続の手続きについて、法令や省庁・自治体の公式資料を原文で確かめ、確認日を添えてまとめています。

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